いつも心にスカイハイ! Tiger&Bunny 第15話「限界は空高くに……」感想

放映当時もなんとなく見ていたタイバニですが、当時はまだ震災後、見逃してしまった回も多々ありました。
最近TOKYO-MXで再放送しているので、改めて見ていますが、ストーリーも面白いし、登場人物たちも魅力的でおすすめです。
主人公2人もいいですが、なんといってもスカイハイが素晴らしい!!
わりと本気で結婚したいくらい大好きです(笑)。



ふだん:キース・グッドマンさん


まず、キャラクター設定がとても好みです。

〈外見〉
・金髪に青い目のタレ目のちょっと古風なハンサム
・自分がイメージする典型的欧米人のかっこいいお兄さんまんまの見た目
・洒落っ気ゼロの私服、王子仕様な仕事着(ギャップ萌え)

〈中身〉
・超がつくまじめな努力家、実力も伴っている
・裏表のない明るい性格
・丁寧な喋り方、口癖は「ありがとう、そしてありがとう!」

とどめに一人称が「私」! 名前までGOODMAN!!


ヒーロー時:スカイハイ


もともとチームものでの肉体労働担当、単純担当キャラが大好きなのです。
そう、「新スパイ大作戦」でいうところのマックスのような……って古っ!
思わず年がバレてしまいそうです。


新スパイ大作戦チームの肉体担当マックス(左から2番め)。金髪、青目、ガタイの良いハンサム。ファッションもキースと同じテイスト。


そんなスカイハイのメイン回が先日放送されました。
とてもよくまとまった、秀逸なエピソードですので、この一話だけご紹介します。
以下ネタバレ。


アバンタイトル

ランニングしながら犬を散歩させているスカイハイの中の人、キース。
街中に貼ってあるヒーローたちのポスターに目を留める。
一枚だけ剥がれかけているスカイハイのポスターを貼り直そうと手を伸ばしたところに、通りかかる通行人。
「最近スカイハイってパッとしないよな」
「あいつの時代はもう終わったっしょ」
「やっぱりこれからはタイガー&バーナビー!」
うわぁ……自分への批判が声高に話されてるのをうっかり耳に入れちゃうなんて、トラウマになりそう。
背中で聞いてたキースもポスターに手をかけたまま固まっています。ううう。


ヒーローたちの中でずっとトップの座を守ってきたスカイハイですが、ジェイクとの戦闘に負けた後スランプから抜けだせずにおり、今期はとうとうバーナビーに総合ポイントで抜かれてしまいました。

KOH(キング・オブ・ヒーロー)の呼称も返上。
ちなみに新しい二つ名は「風の魔術師=Wind Wizard」。
英語だと悪くないのですが、魔術師ってのがMr.マリック的な胡散臭さを感じさせる……フツーに「風使い」のほうがいいかも。


所属会社ポセイドンラインのCEO(最高経営責任者)から叱られるスカイハイ。
暗い部屋で、わざわざヒーローテレビの映像+ランキング表をつきつけられながら叱責されるとか、出頭するときどれだけ気が重かったことか。
リアル社会でいうなら、営業成績トップだったビジネスマンが、他社のルーキーにでかい取引で逆転されちゃってお偉いさんの呼び出しくらったってとこでしょうかね。



ランキング表。ちなみにタイガーは4位、最下位は折紙サイクロン。


CEO「このままでは三位転落も時間の問題だぞ」
スカイハイ「すみません……」
これはきつい、きつすぎる…。



怒られるスカイハイ。しかしスーツのままヘルメットレスな横顔かっこよすぎ。


スカイハイのポスターも、あっけなく風に飛ばされてしまう。
現状を打破できないキースの心象を、頼りなく風に舞うポスターと重ねた素晴らしい演出です。
飛んでいくポスターを飼い主といっしょに見上げる犬さんがかわいい。


●トレーニングルーム


真面目なスカイハイが、トレーニングにも身が入らないでマシンの上でぼーっとしています。

その傍らでじゃれあうおじさんとバーナビー。
虎徹とともにジェイクを倒し、以前の人を寄せ付けない孤高のヒーローはどこへやら、すっかりデレたバーナビー。
なんだか虎徹の口うるさいマネージャーのようになってて、ちょっと脇役というか小物っぽいのが残念。
正直初期の素直じゃない、トゲトゲとハリネズミのようだったバーナビーのほうがカッコ良かった……。
そんな二人を尻目に、キースはため息をついてしょんぼりとトレーニングルームを後にする。
仲間たちも心配そう。


●売れっ子の新KOHとバディ

食器用洗剤「SUPER DISH」のCM……ってロイズさん仕事選ばなすぎ。
もっとヒーローにふさわしいかっこいい商品あるでしょうに。モバイルとか、せめてクレジットカードとか保険とか。

夕暮れ時、超大型街頭ビジョンで、そのCMを見つめる買い物帰りのキース。
と、飼い犬が突然リードを振りきってかけ出しました。
「ジョン、待ちなさい!」
名前はジョンか! いかにもキースがつけそうなひねりのない名前( ・∀・)イイ!!


●公園での出会い

ジョンの向かった先は公園のベンチでした。
石畳の散歩道、池があって橋があって、大きな噴水のある広々としたきれいな公園です。
公園を取り囲む町並みも高級そう。近場にこんな素敵な公園があったら日参しちゃいそうです。
ベンチに座っている女の子にほえかかるジョン。
キース「ジョン、やめなさい! おけがはありませんか?」
女の子「だいじょうぶ」
手の合図だけでジョンに「伏せ」をさせるキースに萌え(*´▽`*)そしてすぐいうこときくおりこうジョン。

隣に座るのにも断りを入れるキース。紳士ですなー。


さて、この女の子、すごい美少女ですが、無表情、色素薄い。受け答え棒読み。
季節は秋も深まった頃と思われますが、やけに薄着。
マ、マズイ! ある程度アニメを見てきた人間はここで早くも嫌な予感が。


驚かせたお詫びにと、買い物袋からりんごを取り出して少女に差し出すキース。
りんごを手に持つ前に、Tシャツで手を拭うしぐさがキースの丁寧な性格をあらわしていていい描写。
受け取りはしたものの、少女は素手でりんごを破壊! 
少女「ごめんなさい」
人外のその力に「君も、ネクストなのかい?」
答えは「わからない」
キース「そうか、まだ能力が目覚めたばかりなんだね」
親近感を感じたのか、やや砕けた友だち口調になってます。
キースはさっとハンカチを取り出して彼女に手渡します。


What a Gentleman!!アメリカンなファッションとフランスパンがよく似合う。


美形の金髪青年にこんなことされたら間違いなく恋に落ちてしまいますよ!
「大丈夫、最初はコントロールが難しいかもしれないがすぐに慣れる。」
すっかり少女をネクストと早合点して励ますキース。この見当違いなやさしさが天然といわれる所以でしょうか。
「ちなみに私が能力に目覚めたのは18歳の夏だった」
ほほう、18歳の夏って、ちょうど欧米基準で言えば高校卒業した頃じゃないですか? 
キースの年齢が見た目から現在28〜30歳と推定して、ちょうど10年前くらいかー。


●売れっ子の新KOHとバディ その2

一方バーナビーは2歳で能力にめざめたそうです。
多忙なスケジュールにより、グラビア撮影とインタビューを同時にこなすバーナビー(とタイガー)
あとで述べますが、この場面はとにかくバーナビーの姿が衝撃的すぎて、話の内容が全く頭に入ってきませんでした。


●スカイハイの夜のお仕事

夜、レストランで食事中のネイサン、カリーナ、パオリン。
ふと窓の外に目をやると出動でもないのにスカイハイが飛んでいるではありませんか。
ネイサン(ファイヤーエンブレム)が教えてくれました。ヒーローになってから毎日彼は夜間パトロールしていると。
カリーナ「うわー、真面目」
ほんと真面目。ヒーローになってから何年かわかりませんが、毎日ってすごいです。毎日ですよ。
不調だし今日くらい休んじゃおーかなーという考えは、きっと彼の中にはないのでしょう。
スーツ着ているとはいえ、夏は暑く冬は寒いだろうなぁ。
バーナビーなら絶対にやらなそう、夜のパトロール
ネクスト能力の性質の違いもありますが、「それは警察の仕事でしょう。そんなことしてたら身体が持ちませんよ。ヒーローを続けていくためには自己管理がうんたら……」というセリフまでリアルに浮かんできてしまいました。


●売れっ子の新KOHとバディ その3

お次は朝からラジオの収録
最近調子がいいとノリノリで語るタイガー
タイガー「とにかく、いつも以上にすんごいパワーがでちゃったんですよ、ま、ワイルドタイガーは進化しつづてるってことですかね〜」
ところがそれをカーラジオで聞いていた、今はタクシーの運ちゃんに身をやつしている、虎徹の元上司のベンさんが顔色を変えて急ブレーキ!
これはもしや……?!

 
●トレーニングルーム その2

調子に乗って女性パーソナリティに軽口をたたくタイガーにいらつき、オーディオデッキを破壊するカリーナ。
こらこら、備品壊しちゃだめだって。
ラジオ局→ベンさん→トレーニングルームのシーンの、オンエアを通したつなぎがスムーズで、見てて気持ちいいです。
そのかたわらで、またまたため息をつくキースをネイサンがなぐさめます。
「まあまあ、また一位に返り咲けばいいじゃない」


見返りもかっこいい


「いや、私が悩んでいるのは恋の悩みだが…」
さらっと白状してしまうアホな素直なキース。全くうそのつけない人です。
即座に色めき立つ女子組の餌食に。
ネイサン「んもぅ奥手なんだから!しかたない、私達たちが恋のアドバイスしてあげる」
キース「え…お手柔らかに」


●公園でのアプローチ

律儀にアドバイスを順番にすべて(!)公平に実行するキース。いかにも彼らしい。


ネイサン「まず笑顔!イケメンに微笑まれて嬉しくない女子はいない!」
パオリン「ボクだったら褒めてもらえると嬉しいかな」
カリーナ「女子はスキンシップの弱いの、自然な振る舞いでボディタッチよ!」
いやいやボディタッチはまだいかんでしょうが。
カリーナちゃんは誰かさんにやってほしいことを言ってるだけじゃ?


アドバイスを実践したけど、ことごとく空振りに終わる。
がっかりして立ち去るキースがかわいそうだけど可愛いです。
元気出して!アドバイスのせいじゃないよ、たぶん……。


●売れっ子の新KOHとバディその4

次のタイガー&バーナビーのお仕事は、子ども記者によるインタビュー。
礼儀正しく質問に答えるバーナビー、こちらも良いヒーローです。
子供たちとの応答の中で、バーナビーの両親がロボット研究者だったことが明かされます。
これまたなんというベタなフラグでしょうか。


その帰り道、市内では事件があった模様で、車の中のテレビでヒーローTVの中継が始まります。ところがタイガーとバーナビーの2人にはお呼びがかかっていません。
ロイズさん曰く、多忙のため、小さな事件は出動を辞退しているとのこと。
そんなのヒーローじゃないと怒るタイガー、諌めるバーナビー。なんか前と立場が逆みたい。
そのテレビ中継中、ポイントを上げたのはドラゴンキッド
スカイハイはというと……


壁に突き刺さっていました。容赦なく晒し者にするテレビ中継。かわいそうで見ていられません(;O;)


ちなみにボーナスポイントのランクは
Criminal capture(犯人逮捕)
Person saved(人命救助)
First to arrive(現場到着一番)
の順になっているようです。

 
●夜の公園にて

その夜、すっかり日が暮れた公園を通りかかったキース。
ライトアップされた噴水がきれいです。

こんな時間にベンチにすわっている彼女にキースはびっくり。
隣りに座ったキースが、やがて口を開きます。
「ちょっと、私の話をしてもいいかな」
「ええ」
「私はね、最近まで仕事でずっとトップだったんだ……しかし今は違う。……べつに順位が下がったことはどうでもいいんだ。ただ、もう一度みんなの期待に添えるのかそれが不安なんだよ。一度失敗して自分の無力さを痛感してしまって。また自分は何もできないんじゃないか、そう思うと怖くて、体が動かなくなって……自分が情けないよ。こんな私なんていなくてもおなじだ」
自分を責めるキース。
落ち込んで鬱々としているんだけど、それは自分にがっかりしたり腹を立てているだけで、バーナビー憎し! にはならないところがさすがです。
「なぜ」キースに問い返す少女。
「私がいてもみんなを失望させるだけだ」
「なぜ」
「なぜって、それは!」
「なぜ」
見つめ合う二人。


「私に、気づかせてくれようとしてるんだね?」
相手は同じ言葉を繰り返しているだけなんですが、良い方向に解釈するキース。いい人だなぁ。
「たしかにそうだ。自分に言い訳ばかりして、何も行動していなかった。」
結局自ら答えを導き出したキースでした。
しかしキースは決して何も行動してなくなんかないのに。パトロールだって続けてるし……
なんだか痛々しいくらいの真っ直ぐさです。
「ありがとう、そし……」
そして、ありがとう、といつものように続けようとしたキースでしたが、じっとこちらを見る少女の瞳に言葉を失います。


少女の目が鏡のようになってキースの目が写り込んでる。細かい!
答えは自分の中にあるという暗示なのでしょうか。

目をそらして赤面するウブなキースが可愛くてたまりません。
「もう遅い、家まで送ろう」
「だいじょうぶ」
「あ、へんなこといってすまない。それじゃあまた明日。明日、また」


初めてキースが弱音を吐く夜の公園のシーン、とてもよかったです。
活躍もできず壁に突き刺さって醜態をTV中継されたあげくポイントも獲得できなかった、さんざんだった一日。
そんなひどい一日の帰り道に、公園でベンチにいる彼女を見つけたときは、すごくうれしかったでしょうね。
この日、キースが、例えばヒーロー仲間には口が裂けても言えない本音を誰かに聞いてもらっただけでも、この少女に会えた意味はあったのかもしれません。


光る噴水をバックにした二人のシルエットが映画みたいで素敵。


キースが立ち去った公園に、謎の赤鼻の男がやってきて、少女の前にたちます。
「探したぞ、シス」
シスは赤鼻男の車に乗せられていきました。


●ヒーローの決意

トロール前でしょうか、キース……じゃなくてスカイハイは高層ビルの屋上の手すりの上に佇み、夜の街を見つめる。
風に煽られるコート、なびく金髪、美しい夜景をバックにサーチライトに浮かび上がる横顔……目のさめるような美男子ぶりです。
「よし……!!」
満月に向けて飛び立つスカイハイ。


うはぁカッコイイ〜


●突然の攻撃

車で移動中のタイガーとバーナビー。
やっと仕事が終わってバーナビーがタイガーを自分の車で送っていくところかな? 
愚痴を垂れるおじさん。「あーあ、今日も取材でおわったか。体がなまっちまう」
バーナビー「まったく……スカイハイさんの爪の垢でも煎じて飲んだらどうですか。こんな生活を続けていても、彼は愚痴なんて一言ももらしませんでしたよ」
バーナビーはスカイハイには一目置いているようです。自分もストイックな分、精進を怠らない人に対しては評価が高いんでしょう。


そこに大音響とともに落っこちてくる、タイガー&バニーのでかい電飾看板。猛スピードでバックし間一髪で避けるバーナビーの運転技術すげー。
その落ちた看板めがけて突進し、脇目もふらずに破壊しているのは、シス!


えーと、とっくに予想がついていたことですが、シスの正体はアンドロイドでした。しかも圧倒的に強い。
タイバニが束になってかかってもかないません。
見た目が可憐な少女だけに、怖すぎます。
シスといっしょにいた赤鼻の男は昔バーナビーの両親の研究所にいたロトワングで、シスの製作者でした。
ヒーローたち全員分の能力データを搭載したシスですが、誤作動により、ヒーローに関わるものをすべて破壊するスイッチが入ってしまったとのこと。
バーナビーの両親の研究を進化させ最高傑作を作ったと得意げなロトワングに、バーナビーは、両親が望んでいたのはこんなことではなかったはずと怒りを爆発させます。
容赦なく攻撃してくるシスに虎徹もやられっぱなし。
しかも、バーナビーと一緒に能力を発動させたはずなのに、虎徹のパワーだけ先に切れてしまいました。
唖然とする虎徹
シスは飛行能力まであるらしく空へ逃れます。バーナビーがハンドレッドパワーで追いかけるものの、とうてい追いつけるはずもありません。


そのとき「ここは私にまかせろ!!」
これまた予想通り、パトロール中のスカイハイが通りかかっちゃいましたよ!
月をバックに戦うスカイハイとシス。


交差する二人の光跡が美しい


そして……一刀両断! シスを破壊するスカイハイ。
「やった、やったぞ!」
破壊されたアンドロイドの破片が月明かりにキラキラと輝きながら海に落ちていきます。


ええ、絶対こうなると思ってましたよ。でも切ない……。
シスの姿が原型をとどめていなくて、正体がスカイハイにわかる状態じゃなかったのがせめてもの救いでしょうか。


●トレーニングルーム その3


アンドロイドを倒したことで吹っ切れたスカイハイは、元気を取り戻し、トレーニングに励んでいます。
 
反対に意気消沈するおじさん。能力の発動時間が確実に短くなっている……。
バーナビーは、両親の弟子であるロトワングが、破壊兵器のようなアンドロイドを製作していたことがショックで、元気の無い虎徹にも気づかず。
逆に虎徹が「だいじょうぶか?」とバーナビーのことを気遣っています。
このあたりが人生経験の差なんでしょうね。
そこへやってきて、二人を元気づけるキース。
明るい笑顔が戻ってきて本当によかった。


●ありがとう、そして…

立ち直るきっかけをくれたあの少女にお礼を言いたいと、キースは公園へ向かいます。
花屋に立ち寄り、薔薇の大きな花束を買い、ウィンドーに映った自分を見て身だしなみを整える。
いつもの噴水前のベンチに、彼女の姿はありません。
ベンチに腰を掛け、彼女がいつも座っていた場所を見つめるキース。


この場面、人によって解釈が様々でしょうが、私には、キースは、もうあの子には二度と会えないことを、薄々感じてたんじゃないかなぁと思われました。
穏やかでどこか寂しそうな微笑が「いてくれたらいいなと思ってたけど、やはりいなかった」という顔に見えてなりません。
あの少女=自分が破壊したアンドロイドだとはさすがに結びつかなくても、自分を苦しみから救ってくれるために現れたかのような、美しい彼女が、自分が一つの壁を乗り越え進むべき道が見え始めた今、二度と目の前にあらわれることはないのだろうと、本能で感じていたのではないかと思います。
あの花束は、少女へのお礼と別れを告げるため、そして自分の中で何かにピリオドを打つための手向けだったのでは。
キースは生涯彼女のことを忘れることはないでしょうが、大切な宝物のような思い出を胸に秘めながらも、明るい人生を歩んでいってほしいものです。


■全体の感想

スカイハイという人は、キャラクター紹介などで再三「天然」と書かれていたこともあり、才能に恵まれ、仕事を愛し、意識せずとも気がついたらトップになっているような、順位には頓着しないある種超越した人なのかな……なんて思っていたのですがそんなことはありませんでした。
トップとしてのプライドも持っていて、普通に落ち込んで、どうすればいいのか悩んでいた、健全な若者だったことがよくわかるエピソードでした。
挫折からの立ち直りの過程も、いかにも彼らしく、見終わった後、スカイハイ=キースのことが一層好きになりました。
作画というのでしょうか、全体的な絵や、背景や戦闘シーンなども本当に美しく、私にとって、まさにベストエピソードオブタイバニ!!です。
これから、辛いことがあっても、スカイハイとキースのことを思い出して、がんばれそうです!
ありがとう、そして、ありがとう、スカイハイ!


■追記

何度も「お約束」だの「フラグ」と書きましたが、きちんきちんとそのお約束が踏襲され、オーソドックスに話が展開していくのが心地よいですね。
今回だけでなくタイバニ全般に言えることですが、安心して見ていられる王道最高です。


そう、1シーンをのぞいては……。
だってですよ、スカイハイが「私が能力に目覚めたのは18歳の夏だった」って言って、カメラがズームアウトしたら、誰もが、あ、回想シーン来るなって思うじゃないですか。
ところが、例のバーナビーの衝撃的な撮影シーンが画面いっぱいにバーンだったわけで。
あそこはいわゆる息抜きというか、ほのぼのシーンだったんですか? あのシマシマ(配色もひどい)、水着じゃなくてただのパンツですよね。
シマシマピチピチパンツ+メガネ姿、なんだか「全裸に革靴とネクタイ」と同じくらいの変態度だと思うんですが。
目がどうしても拒否してしまう!(笑)


シマパンもキモけりゃポーズもキモい。


ぎゃあぁぁ!! 本人が大マジメにカッコつけてるのがまた笑える。飛ぶ鳥落とす勢いのKOHに突っ込める人はだれもいなかったということなのか。


で、でた〜! シマパン+メガネ+パーカー+大股開き……ネーヨ!! いったいどういうシチュエーションを想定してのグラビアなのか。ただのキモい人じゃないですか! こんな人がプールサイドにいたら、間違いなく避けて通る自信あり。


しかし、バーナビーの「むしろ毎日たのしいんです。今までと景色が違って見えるっていうか、復讐のために生きてた時とは別物みたいなんです」っていうセリフの裏に、彼の背負わされた酷い経験が透けて見えて、切なくもあります。
4歳から20年間っていったら、人生でいちばん楽しい子供時代、ハイスクール、そして学生時代と、青春のほぼ全部じゃないですか。
それをまるまる復讐に捧げてきたんだもんね……その重荷が取り払われた今、初めて経験する穏やかな日常。
そりゃどんな変な(失礼)仕事でも楽しいよね。
うん、バーナビーも基本真面目ないい青年です。
そして虎徹には能力減退という、スランプどころではないシビアな現実をつきつけられた所でエンド。
どう乗り越えていくのか、虎徹の行く末も見守って行きたいです。

「お正月アニメのゲスト声優」ってのがすごいありそうでツボでした。