いつも心にスカイハイ! Tiger&Bunny 第15話「限界は空高くに……」感想

放映当時もなんとなく見ていたタイバニですが、当時はまだ震災後、見逃してしまった回も多々ありました。
最近TOKYO-MXで再放送しているので、改めて見ていますが、ストーリーも面白いし、登場人物たちも魅力的でおすすめです。
主人公2人もいいですが、なんといってもスカイハイが素晴らしい!!
わりと本気で結婚したいくらい大好きです(笑)。



ふだん:キース・グッドマンさん


まず、キャラクター設定がとても好みです。

〈外見〉
・金髪に青い目のタレ目のちょっと古風なハンサム
・自分がイメージする典型的欧米人のかっこいいお兄さんまんまの見た目
・洒落っ気ゼロの私服、王子仕様な仕事着(ギャップ萌え)

〈中身〉
・超がつくまじめな努力家、実力も伴っている
・裏表のない明るい性格
・丁寧な喋り方、口癖は「ありがとう、そしてありがとう!」

とどめに一人称が「私」! 名前までGOODMAN!!


ヒーロー時:スカイハイ


もともとチームものでの肉体労働担当、単純担当キャラが大好きなのです。
そう、「新スパイ大作戦」でいうところのマックスのような……って古っ!
思わず年がバレてしまいそうです。


新スパイ大作戦チームの肉体担当マックス(左から2番め)。金髪、青目、ガタイの良いハンサム。ファッションもキースと同じテイスト。


そんなスカイハイのメイン回が先日放送されました。
とてもよくまとまった、秀逸なエピソードですので、この一話だけご紹介します。
以下ネタバレ。


アバンタイトル

ランニングしながら犬を散歩させているスカイハイの中の人、キース。
街中に貼ってあるヒーローたちのポスターに目を留める。
一枚だけ剥がれかけているスカイハイのポスターを貼り直そうと手を伸ばしたところに、通りかかる通行人。
「最近スカイハイってパッとしないよな」
「あいつの時代はもう終わったっしょ」
「やっぱりこれからはタイガー&バーナビー!」
うわぁ……自分への批判が声高に話されてるのをうっかり耳に入れちゃうなんて、トラウマになりそう。
背中で聞いてたキースもポスターに手をかけたまま固まっています。ううう。


ヒーローたちの中でずっとトップの座を守ってきたスカイハイですが、ジェイクとの戦闘に負けた後スランプから抜けだせずにおり、今期はとうとうバーナビーに総合ポイントで抜かれてしまいました。

KOH(キング・オブ・ヒーロー)の呼称も返上。
ちなみに新しい二つ名は「風の魔術師=Wind Wizard」。
英語だと悪くないのですが、魔術師ってのがMr.マリック的な胡散臭さを感じさせる……フツーに「風使い」のほうがいいかも。


所属会社ポセイドンラインのCEO(最高経営責任者)から叱られるスカイハイ。
暗い部屋で、わざわざヒーローテレビの映像+ランキング表をつきつけられながら叱責されるとか、出頭するときどれだけ気が重かったことか。
リアル社会でいうなら、営業成績トップだったビジネスマンが、他社のルーキーにでかい取引で逆転されちゃってお偉いさんの呼び出しくらったってとこでしょうかね。



ランキング表。ちなみにタイガーは4位、最下位は折紙サイクロン。


CEO「このままでは三位転落も時間の問題だぞ」
スカイハイ「すみません……」
これはきつい、きつすぎる…。



怒られるスカイハイ。しかしスーツのままヘルメットレスな横顔かっこよすぎ。


スカイハイのポスターも、あっけなく風に飛ばされてしまう。
現状を打破できないキースの心象を、頼りなく風に舞うポスターと重ねた素晴らしい演出です。
飛んでいくポスターを飼い主といっしょに見上げる犬さんがかわいい。


●トレーニングルーム


真面目なスカイハイが、トレーニングにも身が入らないでマシンの上でぼーっとしています。

その傍らでじゃれあうおじさんとバーナビー。
虎徹とともにジェイクを倒し、以前の人を寄せ付けない孤高のヒーローはどこへやら、すっかりデレたバーナビー。
なんだか虎徹の口うるさいマネージャーのようになってて、ちょっと脇役というか小物っぽいのが残念。
正直初期の素直じゃない、トゲトゲとハリネズミのようだったバーナビーのほうがカッコ良かった……。
そんな二人を尻目に、キースはため息をついてしょんぼりとトレーニングルームを後にする。
仲間たちも心配そう。


●売れっ子の新KOHとバディ

食器用洗剤「SUPER DISH」のCM……ってロイズさん仕事選ばなすぎ。
もっとヒーローにふさわしいかっこいい商品あるでしょうに。モバイルとか、せめてクレジットカードとか保険とか。

夕暮れ時、超大型街頭ビジョンで、そのCMを見つめる買い物帰りのキース。
と、飼い犬が突然リードを振りきってかけ出しました。
「ジョン、待ちなさい!」
名前はジョンか! いかにもキースがつけそうなひねりのない名前( ・∀・)イイ!!


●公園での出会い

ジョンの向かった先は公園のベンチでした。
石畳の散歩道、池があって橋があって、大きな噴水のある広々としたきれいな公園です。
公園を取り囲む町並みも高級そう。近場にこんな素敵な公園があったら日参しちゃいそうです。
ベンチに座っている女の子にほえかかるジョン。
キース「ジョン、やめなさい! おけがはありませんか?」
女の子「だいじょうぶ」
手の合図だけでジョンに「伏せ」をさせるキースに萌え(*´▽`*)そしてすぐいうこときくおりこうジョン。

隣に座るのにも断りを入れるキース。紳士ですなー。


さて、この女の子、すごい美少女ですが、無表情、色素薄い。受け答え棒読み。
季節は秋も深まった頃と思われますが、やけに薄着。
マ、マズイ! ある程度アニメを見てきた人間はここで早くも嫌な予感が。


驚かせたお詫びにと、買い物袋からりんごを取り出して少女に差し出すキース。
りんごを手に持つ前に、Tシャツで手を拭うしぐさがキースの丁寧な性格をあらわしていていい描写。
受け取りはしたものの、少女は素手でりんごを破壊! 
少女「ごめんなさい」
人外のその力に「君も、ネクストなのかい?」
答えは「わからない」
キース「そうか、まだ能力が目覚めたばかりなんだね」
親近感を感じたのか、やや砕けた友だち口調になってます。
キースはさっとハンカチを取り出して彼女に手渡します。


What a Gentleman!!アメリカンなファッションとフランスパンがよく似合う。


美形の金髪青年にこんなことされたら間違いなく恋に落ちてしまいますよ!
「大丈夫、最初はコントロールが難しいかもしれないがすぐに慣れる。」
すっかり少女をネクストと早合点して励ますキース。この見当違いなやさしさが天然といわれる所以でしょうか。
「ちなみに私が能力に目覚めたのは18歳の夏だった」
ほほう、18歳の夏って、ちょうど欧米基準で言えば高校卒業した頃じゃないですか? 
キースの年齢が見た目から現在28〜30歳と推定して、ちょうど10年前くらいかー。


●売れっ子の新KOHとバディ その2

一方バーナビーは2歳で能力にめざめたそうです。
多忙なスケジュールにより、グラビア撮影とインタビューを同時にこなすバーナビー(とタイガー)
あとで述べますが、この場面はとにかくバーナビーの姿が衝撃的すぎて、話の内容が全く頭に入ってきませんでした。


●スカイハイの夜のお仕事

夜、レストランで食事中のネイサン、カリーナ、パオリン。
ふと窓の外に目をやると出動でもないのにスカイハイが飛んでいるではありませんか。
ネイサン(ファイヤーエンブレム)が教えてくれました。ヒーローになってから毎日彼は夜間パトロールしていると。
カリーナ「うわー、真面目」
ほんと真面目。ヒーローになってから何年かわかりませんが、毎日ってすごいです。毎日ですよ。
不調だし今日くらい休んじゃおーかなーという考えは、きっと彼の中にはないのでしょう。
スーツ着ているとはいえ、夏は暑く冬は寒いだろうなぁ。
バーナビーなら絶対にやらなそう、夜のパトロール
ネクスト能力の性質の違いもありますが、「それは警察の仕事でしょう。そんなことしてたら身体が持ちませんよ。ヒーローを続けていくためには自己管理がうんたら……」というセリフまでリアルに浮かんできてしまいました。


●売れっ子の新KOHとバディ その3

お次は朝からラジオの収録
最近調子がいいとノリノリで語るタイガー
タイガー「とにかく、いつも以上にすんごいパワーがでちゃったんですよ、ま、ワイルドタイガーは進化しつづてるってことですかね〜」
ところがそれをカーラジオで聞いていた、今はタクシーの運ちゃんに身をやつしている、虎徹の元上司のベンさんが顔色を変えて急ブレーキ!
これはもしや……?!

 
●トレーニングルーム その2

調子に乗って女性パーソナリティに軽口をたたくタイガーにいらつき、オーディオデッキを破壊するカリーナ。
こらこら、備品壊しちゃだめだって。
ラジオ局→ベンさん→トレーニングルームのシーンの、オンエアを通したつなぎがスムーズで、見てて気持ちいいです。
そのかたわらで、またまたため息をつくキースをネイサンがなぐさめます。
「まあまあ、また一位に返り咲けばいいじゃない」


見返りもかっこいい


「いや、私が悩んでいるのは恋の悩みだが…」
さらっと白状してしまうアホな素直なキース。全くうそのつけない人です。
即座に色めき立つ女子組の餌食に。
ネイサン「んもぅ奥手なんだから!しかたない、私達たちが恋のアドバイスしてあげる」
キース「え…お手柔らかに」


●公園でのアプローチ

律儀にアドバイスを順番にすべて(!)公平に実行するキース。いかにも彼らしい。


ネイサン「まず笑顔!イケメンに微笑まれて嬉しくない女子はいない!」
パオリン「ボクだったら褒めてもらえると嬉しいかな」
カリーナ「女子はスキンシップの弱いの、自然な振る舞いでボディタッチよ!」
いやいやボディタッチはまだいかんでしょうが。
カリーナちゃんは誰かさんにやってほしいことを言ってるだけじゃ?


アドバイスを実践したけど、ことごとく空振りに終わる。
がっかりして立ち去るキースがかわいそうだけど可愛いです。
元気出して!アドバイスのせいじゃないよ、たぶん……。


●売れっ子の新KOHとバディその4

次のタイガー&バーナビーのお仕事は、子ども記者によるインタビュー。
礼儀正しく質問に答えるバーナビー、こちらも良いヒーローです。
子供たちとの応答の中で、バーナビーの両親がロボット研究者だったことが明かされます。
これまたなんというベタなフラグでしょうか。


その帰り道、市内では事件があった模様で、車の中のテレビでヒーローTVの中継が始まります。ところがタイガーとバーナビーの2人にはお呼びがかかっていません。
ロイズさん曰く、多忙のため、小さな事件は出動を辞退しているとのこと。
そんなのヒーローじゃないと怒るタイガー、諌めるバーナビー。なんか前と立場が逆みたい。
そのテレビ中継中、ポイントを上げたのはドラゴンキッド
スカイハイはというと……


壁に突き刺さっていました。容赦なく晒し者にするテレビ中継。かわいそうで見ていられません(;O;)


ちなみにボーナスポイントのランクは
Criminal capture(犯人逮捕)
Person saved(人命救助)
First to arrive(現場到着一番)
の順になっているようです。

 
●夜の公園にて

その夜、すっかり日が暮れた公園を通りかかったキース。
ライトアップされた噴水がきれいです。

こんな時間にベンチにすわっている彼女にキースはびっくり。
隣りに座ったキースが、やがて口を開きます。
「ちょっと、私の話をしてもいいかな」
「ええ」
「私はね、最近まで仕事でずっとトップだったんだ……しかし今は違う。……べつに順位が下がったことはどうでもいいんだ。ただ、もう一度みんなの期待に添えるのかそれが不安なんだよ。一度失敗して自分の無力さを痛感してしまって。また自分は何もできないんじゃないか、そう思うと怖くて、体が動かなくなって……自分が情けないよ。こんな私なんていなくてもおなじだ」
自分を責めるキース。
落ち込んで鬱々としているんだけど、それは自分にがっかりしたり腹を立てているだけで、バーナビー憎し! にはならないところがさすがです。
「なぜ」キースに問い返す少女。
「私がいてもみんなを失望させるだけだ」
「なぜ」
「なぜって、それは!」
「なぜ」
見つめ合う二人。


「私に、気づかせてくれようとしてるんだね?」
相手は同じ言葉を繰り返しているだけなんですが、良い方向に解釈するキース。いい人だなぁ。
「たしかにそうだ。自分に言い訳ばかりして、何も行動していなかった。」
結局自ら答えを導き出したキースでした。
しかしキースは決して何も行動してなくなんかないのに。パトロールだって続けてるし……
なんだか痛々しいくらいの真っ直ぐさです。
「ありがとう、そし……」
そして、ありがとう、といつものように続けようとしたキースでしたが、じっとこちらを見る少女の瞳に言葉を失います。


少女の目が鏡のようになってキースの目が写り込んでる。細かい!
答えは自分の中にあるという暗示なのでしょうか。

目をそらして赤面するウブなキースが可愛くてたまりません。
「もう遅い、家まで送ろう」
「だいじょうぶ」
「あ、へんなこといってすまない。それじゃあまた明日。明日、また」


初めてキースが弱音を吐く夜の公園のシーン、とてもよかったです。
活躍もできず壁に突き刺さって醜態をTV中継されたあげくポイントも獲得できなかった、さんざんだった一日。
そんなひどい一日の帰り道に、公園でベンチにいる彼女を見つけたときは、すごくうれしかったでしょうね。
この日、キースが、例えばヒーロー仲間には口が裂けても言えない本音を誰かに聞いてもらっただけでも、この少女に会えた意味はあったのかもしれません。


光る噴水をバックにした二人のシルエットが映画みたいで素敵。


キースが立ち去った公園に、謎の赤鼻の男がやってきて、少女の前にたちます。
「探したぞ、シス」
シスは赤鼻男の車に乗せられていきました。


●ヒーローの決意

トロール前でしょうか、キース……じゃなくてスカイハイは高層ビルの屋上の手すりの上に佇み、夜の街を見つめる。
風に煽られるコート、なびく金髪、美しい夜景をバックにサーチライトに浮かび上がる横顔……目のさめるような美男子ぶりです。
「よし……!!」
満月に向けて飛び立つスカイハイ。


うはぁカッコイイ〜


●突然の攻撃

車で移動中のタイガーとバーナビー。
やっと仕事が終わってバーナビーがタイガーを自分の車で送っていくところかな? 
愚痴を垂れるおじさん。「あーあ、今日も取材でおわったか。体がなまっちまう」
バーナビー「まったく……スカイハイさんの爪の垢でも煎じて飲んだらどうですか。こんな生活を続けていても、彼は愚痴なんて一言ももらしませんでしたよ」
バーナビーはスカイハイには一目置いているようです。自分もストイックな分、精進を怠らない人に対しては評価が高いんでしょう。


そこに大音響とともに落っこちてくる、タイガー&バニーのでかい電飾看板。猛スピードでバックし間一髪で避けるバーナビーの運転技術すげー。
その落ちた看板めがけて突進し、脇目もふらずに破壊しているのは、シス!


えーと、とっくに予想がついていたことですが、シスの正体はアンドロイドでした。しかも圧倒的に強い。
タイバニが束になってかかってもかないません。
見た目が可憐な少女だけに、怖すぎます。
シスといっしょにいた赤鼻の男は昔バーナビーの両親の研究所にいたロトワングで、シスの製作者でした。
ヒーローたち全員分の能力データを搭載したシスですが、誤作動により、ヒーローに関わるものをすべて破壊するスイッチが入ってしまったとのこと。
バーナビーの両親の研究を進化させ最高傑作を作ったと得意げなロトワングに、バーナビーは、両親が望んでいたのはこんなことではなかったはずと怒りを爆発させます。
容赦なく攻撃してくるシスに虎徹もやられっぱなし。
しかも、バーナビーと一緒に能力を発動させたはずなのに、虎徹のパワーだけ先に切れてしまいました。
唖然とする虎徹
シスは飛行能力まであるらしく空へ逃れます。バーナビーがハンドレッドパワーで追いかけるものの、とうてい追いつけるはずもありません。


そのとき「ここは私にまかせろ!!」
これまた予想通り、パトロール中のスカイハイが通りかかっちゃいましたよ!
月をバックに戦うスカイハイとシス。


交差する二人の光跡が美しい


そして……一刀両断! シスを破壊するスカイハイ。
「やった、やったぞ!」
破壊されたアンドロイドの破片が月明かりにキラキラと輝きながら海に落ちていきます。


ええ、絶対こうなると思ってましたよ。でも切ない……。
シスの姿が原型をとどめていなくて、正体がスカイハイにわかる状態じゃなかったのがせめてもの救いでしょうか。


●トレーニングルーム その3


アンドロイドを倒したことで吹っ切れたスカイハイは、元気を取り戻し、トレーニングに励んでいます。
 
反対に意気消沈するおじさん。能力の発動時間が確実に短くなっている……。
バーナビーは、両親の弟子であるロトワングが、破壊兵器のようなアンドロイドを製作していたことがショックで、元気の無い虎徹にも気づかず。
逆に虎徹が「だいじょうぶか?」とバーナビーのことを気遣っています。
このあたりが人生経験の差なんでしょうね。
そこへやってきて、二人を元気づけるキース。
明るい笑顔が戻ってきて本当によかった。


●ありがとう、そして…

立ち直るきっかけをくれたあの少女にお礼を言いたいと、キースは公園へ向かいます。
花屋に立ち寄り、薔薇の大きな花束を買い、ウィンドーに映った自分を見て身だしなみを整える。
いつもの噴水前のベンチに、彼女の姿はありません。
ベンチに腰を掛け、彼女がいつも座っていた場所を見つめるキース。


この場面、人によって解釈が様々でしょうが、私には、キースは、もうあの子には二度と会えないことを、薄々感じてたんじゃないかなぁと思われました。
穏やかでどこか寂しそうな微笑が「いてくれたらいいなと思ってたけど、やはりいなかった」という顔に見えてなりません。
あの少女=自分が破壊したアンドロイドだとはさすがに結びつかなくても、自分を苦しみから救ってくれるために現れたかのような、美しい彼女が、自分が一つの壁を乗り越え進むべき道が見え始めた今、二度と目の前にあらわれることはないのだろうと、本能で感じていたのではないかと思います。
あの花束は、少女へのお礼と別れを告げるため、そして自分の中で何かにピリオドを打つための手向けだったのでは。
キースは生涯彼女のことを忘れることはないでしょうが、大切な宝物のような思い出を胸に秘めながらも、明るい人生を歩んでいってほしいものです。


■全体の感想

スカイハイという人は、キャラクター紹介などで再三「天然」と書かれていたこともあり、才能に恵まれ、仕事を愛し、意識せずとも気がついたらトップになっているような、順位には頓着しないある種超越した人なのかな……なんて思っていたのですがそんなことはありませんでした。
トップとしてのプライドも持っていて、普通に落ち込んで、どうすればいいのか悩んでいた、健全な若者だったことがよくわかるエピソードでした。
挫折からの立ち直りの過程も、いかにも彼らしく、見終わった後、スカイハイ=キースのことが一層好きになりました。
作画というのでしょうか、全体的な絵や、背景や戦闘シーンなども本当に美しく、私にとって、まさにベストエピソードオブタイバニ!!です。
これから、辛いことがあっても、スカイハイとキースのことを思い出して、がんばれそうです!
ありがとう、そして、ありがとう、スカイハイ!


■追記

何度も「お約束」だの「フラグ」と書きましたが、きちんきちんとそのお約束が踏襲され、オーソドックスに話が展開していくのが心地よいですね。
今回だけでなくタイバニ全般に言えることですが、安心して見ていられる王道最高です。


そう、1シーンをのぞいては……。
だってですよ、スカイハイが「私が能力に目覚めたのは18歳の夏だった」って言って、カメラがズームアウトしたら、誰もが、あ、回想シーン来るなって思うじゃないですか。
ところが、例のバーナビーの衝撃的な撮影シーンが画面いっぱいにバーンだったわけで。
あそこはいわゆる息抜きというか、ほのぼのシーンだったんですか? あのシマシマ(配色もひどい)、水着じゃなくてただのパンツですよね。
シマシマピチピチパンツ+メガネ姿、なんだか「全裸に革靴とネクタイ」と同じくらいの変態度だと思うんですが。
目がどうしても拒否してしまう!(笑)


シマパンもキモけりゃポーズもキモい。


ぎゃあぁぁ!! 本人が大マジメにカッコつけてるのがまた笑える。飛ぶ鳥落とす勢いのKOHに突っ込める人はだれもいなかったということなのか。


で、でた〜! シマパン+メガネ+パーカー+大股開き……ネーヨ!! いったいどういうシチュエーションを想定してのグラビアなのか。ただのキモい人じゃないですか! こんな人がプールサイドにいたら、間違いなく避けて通る自信あり。


しかし、バーナビーの「むしろ毎日たのしいんです。今までと景色が違って見えるっていうか、復讐のために生きてた時とは別物みたいなんです」っていうセリフの裏に、彼の背負わされた酷い経験が透けて見えて、切なくもあります。
4歳から20年間っていったら、人生でいちばん楽しい子供時代、ハイスクール、そして学生時代と、青春のほぼ全部じゃないですか。
それをまるまる復讐に捧げてきたんだもんね……その重荷が取り払われた今、初めて経験する穏やかな日常。
そりゃどんな変な(失礼)仕事でも楽しいよね。
うん、バーナビーも基本真面目ないい青年です。
そして虎徹には能力減退という、スランプどころではないシビアな現実をつきつけられた所でエンド。
どう乗り越えていくのか、虎徹の行く末も見守って行きたいです。

「お正月アニメのゲスト声優」ってのがすごいありそうでツボでした。

祝・新刊発売「ガラスの仮面」47巻感想〜社長、最近白目ハードルが低すぎです

ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)

未読だった連載分も収録されていたので、最初からご紹介します。
また、この巻真澄の白目率がハンパナイので、カウントしてみました。



運命のいたずらか、ワンナイトクルーズに乗り合わせた二人。
(マヤ……これは夢か)
(速水さん、なぜここに……)
二人の思いを乗せ、出航するアストリア号……。
ここの船の絵なんですけど、ゆったりと出航する豪華客船というより、「ザザッ」という効果文字のせいなのか、結構なスピードで、いちもくさんに東京湾を出て行っているように見えます。そう、まるで紫織から逃げるかのように……。


で、いきなり場面がすっとんで、二人で向かい合って豪華レストランで食事している場面。
ちょっと唐突感。
正装した乗客の中、「Love For You」のロゴ入りTシャツで浮きまくっているマヤは居心地悪そうです。レストランのお客さん全員の目が二人に注がれています。ヒソヒソ……
「噂になってます」と気にするマヤに「おれはいっこうにかまわん」と余裕の真澄。
お、ちょっと昔のカッコよかった真澄の面影が戻っています。
「どう見てもカップルには見えん。せいぜい叔父と姪か」
ゴン!ずっこけてテーブルに頭をぶつけるマヤ。
おお、この流れ、まさに昭和の少女漫画の様式美!

昔のように漫才もどきの会話をしているうちに、船のスタッフから紫織の伝言「渋滞で間に合わず、おひとりにしてしまってすみません」を伝えられる速水。
真澄がこの船で紫織とデートのセッティングをしたと思い込んだマヤは落ち込む。


真澄「ときに、この船で人を探していると言っていたな」
(話を切り出すときに「ときに」って言う人いまどきいるんですかね)。
真澄に「紫織さんか」と図星をさされたマヤはごまかすことができずに、紫織からの「真澄に接近を禁止する約束金一千万円」の小切手を返すためだったと打ち明ける。
驚く真澄。
「黒沼さん、怒ったろ?」
「ええ、もうカンカンです、今すぐ返してこいって」
「あたし、何もしていません。本当です。あなたの大切な婚約者(フィアンセと読む)にあたし何も……」
「だから受け取れません、そんなお金!」
真澄はフッと笑って、「俺としても君に会えなくなるのは困る」。
お、良い展開!と思うも「君といると退屈しないからな」……ひと言余計です。
ビリっと小切手を引き裂いて「これがおれの気持ちだ。君を疑ってすまなかったな」
あれあれ、指輪泥棒疑惑も、ウェディングドレスブルーベリー事件もあっさり誤解がとけました。ちょっとあっさりすぎ。これでこの話おしまい? うーん、なんだったんでしょうかあの事件。


夕食後、真澄の計らいでドレスアップしてもらうことになるマヤ。
用意が整って、真澄の前に、じゃーんとマヤがあらわれました。
えーと……ドレスと靴はまあいいとして、髪型とかもうちょっと可愛くできたんじゃないかと思うんだけど……いやいや普段のマヤからすればじゅうぶんですけどね。
そんなマヤに真澄は釘付け、「見とれてらっしゃいますのね」とビューティーサロンの人にも言われてしまいます。
(初めてこの子がまぶしく感じられる……)(白目1
って今更なにいってんのアンタ、と突っ込んだ人も多いのではないでしょうか。
ずっと前からマヤにベタボレなくせに〜。
お礼を言うマヤに真澄は、
「礼はいい、豆ダヌキがレディに変身するのを見られたんだからな。」
……また始まった。どうしてこう素直じゃないのかこの社長は。
「きれいだ、見違えた」と、正直な気持ちを言ってあげればどんなにいいか。
案の定かみつくマヤ。
「見かけは変わっても中身は相変わらずだな、チビちゃん」「速水さん!」はははは…。


ところがここでマヤが思いがけない反撃(笑)に出ました。
「あたしのこともうチビちゃんって呼ぶのやめてください。あたしもう大人です!」
「お酒だってのめるんです」
「結婚だってできるんですから!」
ぴくっと反応して振り向く真澄(白目2
「そうか、そうだな、初めて会った13歳のころとは違う。いつかは結婚するんだな。君も誰かと……」
「はい、いつかは……あなたが紫織さんと結婚するように」


グサッ!(白目3)ザザ……ン(波の音)

このコマの白目真澄はなんだか「白目」っていう持ちネタを披露している芸人みたいでほんとに笑えます。アメドラの「ダーマ&グレッグ」とかなら絶対バカ笑いの声が入っているシーンでしょうね。


ところでマヤったらなんでそんなこと言うんだと思いましたが、速水さんと紫織さんが結婚するっていうつらい事実をマヤなりに長い時間をかけて、受け入れようとがんばっていたのではないでしょうか。
そしてようやく、なんとか笑顔で話題にできるくらいにはなっていたと。
真澄にいきなり話題にされて傷つくより、自分から無理にでも言っちゃったって感じかなぁ。
そんなマヤの気持ちも知らず、白目をむきまくる真澄。


ショーを見物しながらも、マヤがいつか結婚結婚結婚結婚…という可能性をつきつけられたせいか、暗ーく黙りこくっている真澄に「紫織さんが来られなくなったから、きっとがっかりしているんだわ」とこちらも見当違いもいいところのマヤ。
ダンスが始まったフロアに目を奪われているマヤに真澄は、「ぼくと踊ってくれませんか、北島マヤさん」と申し込む。
踊れないというマヤに、「前に一度踊ったろ」

そうでした。えーっと、あれは「奇跡の人」の受賞パーティーの時でしたね。うっかり紫のバラの正体がバレそうになって、最後まで踊れませんでしたが。いやー、なつかしい。5、6年前のはずですが、何十年も前のことのような気がします。
真澄のリードで軽やかにダンスをこなすマヤ。マヤって運動神経ないといいつつ、運動能力はありますよね。


紫織との義理ダンスと違って、本当に楽しそうな真澄。
一応女優のマヤと、長身イケメンの真澄のダンスは周囲の目を引き、拍手が沸き起こります。
「ダンスお上手なんですね、知らなかった」というマヤに、
「仕事上必要だったから、昔習ったが、楽しいと思ったことはなかった。君以外はな、チビちゃん」
「君は面白いからな」(頭ナデナデ)
……マヤが素直になりかけるたびにオチをつけずにはいられない悲しい習性の真澄。


甲板に出て満天の星を見る二人。
「あ、あれ白鳥座
梅の谷で真澄に教えてもらった星座をマヤ覚えていました!エライ。
「2度目ですね。満天の星。梅の谷とこの海の上と。あの時も速水さんが隣にいました」
今度は真澄もちゃかしたりせず、ふたりで星を見つめます。いい雰囲気。


やがて夜もふけ、マヤをロイヤルスイートへ案内する真澄。
さっきから船内のどこにも他の乗客の姿がないんだけど……などと野暮な突っ込みはやめときましょう。
マヤの前を無言で歩く真澄(白目4)。
やがてロイヤルスイートの扉の前に到着。
(ここ……? 速水……さん?)(白目5
通された豪華な部屋にマヤびっくり。「わあ……」と感心していますが、はっと気がつきます。
(速水さんと二人きり……)(白目6
(この部屋で……)(白目7
白目8アップ。(厳密に言うと半白目、「うつろな目」ってやつですかね。……怖いんですけど。)
真澄、ここでようやく白目解除。
「安心しろ、きみをおそったりはしない。そうおびえた顔をするな」だって。
また心にもないこと言っちゃってます。何も言わないほうがまだマシですよ、これじゃ。
ことマヤに関しては、どうしても、「嫌われたくない」とか「本当の気持ちを知られたくない」という思いが先にたって、逃げ場を作って置かずにはいられないんでしょうね。


真澄は、「この部屋は君がつかうといい、おれはどこかほかで寝る」と、鍵を置いて部屋を出て行きます。
紳士なのか馬鹿なのか……。
そして出ました今回の主役(笑)!!天蓋つきの豪華ダブルベッドに気がつくマヤ!
Σ(゚д゚lll)ガーン
並んだ枕の生々しさにショックを受けるマヤの脳裏には、抱き合う真澄と紫織の姿までありありと浮かんでくる始末。
「いやだ、こんな部屋であたし寝られない!!」
泣き崩れるマヤ……あーあ、かわいそうに。


デッキで酒を飲んでる真澄のもとに、べそをかきながらマヤ登場。
ドレスから「Love For You」パーカーに着替えております。
「シンデレラの時間は終わりました」
「いただいた靴とバッグお返しします」
「それからこれ、部屋の鍵。やっぱりあの部屋、速水さんが使ってください」
「あの部屋、速水さんが紫織さんのために用意したものですよね。あたし、そんな部屋でなんか寝られません!」
言っているうちにまた、じわ……と涙がわいてくるマヤ。ほんとにかわいそう。
立ち去ろうとするマヤに「待て!」(白目9)で呼び止める真澄。


「あの部屋はおれが用意したものじゃない」
「おれは何も知らずにこの船へ連れてこられたんだ」(すでに誘拐犯のような扱いの紫織)
「このクルーズは紫織さんのサプライズなんだ!」
ものすごい勢いでマヤに言い訳する真澄(笑)。
そして背を向けて(白目10)「一度は帰ろうとしたんだ。君の姿を見るまではな」
(速水さん……!)
鈍いマヤもなんか気がついたか?


「おれもあの部屋に泊まるつもりはない」(白目11
ヒュッ、夜の海にカギを投げ捨てる真澄。
オイオイ……小学生かよ、と思ったものの、とにかくマヤの誤解をときたい一心で、「あ、あのダブルべッド断じておれがやったんじゃない、おれじゃないんだー」と軽くパニックをおこして衝動的にやってしまったようで、まあ許してあげましょう(何様)
海をみつめる真澄(白目12)。ザザ……ン。
(もしかして速水さんもあたしと同じ気持ち……?)
白目13真澄を見つめるマヤの胸にほのかな期待が。
でも、こちらもいつもの悪いクセが出て
(そんなはずないよね……あんなに美しくて素敵な(以下略))としょんぼり。


ばかっ。パシッ。社長も社長ならマヤちゃん、あなたもよ! なんでいつもそういう思考から抜け出せないのかしら! いい加減になさい!
失礼、つい水城さんが乗り移ってしまったようです。


真澄はマヤに「夜風は冷える」と上着をかけてやります。梅の谷のデジャヴ再びですね。
「あたし、まだここにいていいんですか。あなたのそばに……」
「ああもちろんだ。一緒にいるしかないだろう。なにしろ二人とも帰るべき部屋がないんだからな」
あはは、きゃっきゃっ、はははは……夜空に二人の笑い声がひびきます。
ここ別に笑うところじゃない気がするんだけど……まあいいか。
「ドレスと靴、よく似合っていた、受け取ってくれないか」とようやく素直になった真澄。マヤも「ほんとはあたしも気に入ってました」と素直に。
そうそうキーワードは「素直」!それしかないんですよ。ふたりとも〜。


次の場面、あれ? もう朝日が水平線に顔を出してます。
あれからふたりともすぐに寝ちゃった模様。
せっかく、これから二度とないかもしれない機会なのに、なんともったいない……。
徹夜で話をして(もしかしてそれ以上も)お互いの心の内をもっと見せ合えばいいのに。


美しい朝焼けをみせようと、真澄の手をとり甲板へ連れ出すマヤ。戸惑う真澄。
(どういうつもりだ……おれを憎んでいるのか、それとも……)(白目14
血染めハンカチを内ポケットから取り出してマヤに返す。
「これを……忘れ物だ。暴漢に会った夜におれの部屋に落ちていた。せっかくのハンカチをおれの血で汚してすまなかったな」
プチ策士真澄、がんばってカマかけました。
真っ赤になるマヤ。どどーんとマヤの赤面顔。こんなどアップ今までありましたっけ? ガラかめ史上初めてでは。
(まさか……気づかれてた? 速水さんに……あのときのハンカチ)
(なんだこの表情、なぜおれの顔を見ない、目をそらす……?)
「ありがとうございます」マヤがハンカチを受け取りました!
真澄白目15(受け取った……ではあの夜)(もしかして……)
以下略。もうええっちゅうねん。
思考が同じところをぐるぐるぐる。煮え切らない真澄にちょっとイライラします。


そういえば暴漢事件の時の傷はもう治ったんでしょうかね。
頭をバットで殴られて出血→意識不明という状態にもかかわらず、医者にも行かずマヤの看病だけですからね。(翌日行ったのかもしれませんが)
ハンカチが血染めになるくらいだから結構な出血量だったと思うのですが。絵で見る限りはすっかり治っているようです。髪の毛の中に傷口があるのか、部分ハゲにならないことを祈ります。



さて、ここからの流れはだいたい、以前記事にした雑誌掲載分と同じです。
ざっと流して、新たに追加された場面を主に紹介します。



■阿古夜を演じるマヤのセリフをきいて、暴漢事件の夜自分が見た夢は現実だったと確信する真澄。自分を抑えきれなくなりマヤを抱きしめる。
(この間白目15、16、17、18あり)


★新規追加
真澄「いつからだ……いつからおれをいやじゃなくなった…。今まで君にきらわれているとばかり思っていた」
真澄、これで精一杯。
マヤ「はじめは……でも……あたし誤解していました。それにあたしのこと子どもだと思ってるって、相手になんかされないって……」
なんか答えになっていないような。
「あなたのお見合いの話を聞いた時、とても心が苦しくて……」くらいつっこんだこと言えばいいのに。


抱き合ってから、体を離し、見詰め合う二人、ページをめくると……
そこは普通キスでしょうが! どう考えても!
残念ながら、キスへの改稿はナシでした。期待していたんですけどね。


伊豆半島を眺めながら、伊豆の海辺にある別荘にマヤを誘う真澄。
せっかくのロマンチックなシーンでギャーギャーうるさいかもめの鳴き声がちょっとじゃま。

連載では正視できなかった、マヤを誘ったあとの、赤面しながら口を押さえる真澄の表情がちょっと改変されていました。
さすがにキモすぎと先生も思ったのか……?!


★新規2ページ分挿入
「いいのか、おれ一人だぞ」と言われ、
ドキーーン。
(速水さんひとり、別荘にふたりきり。満天の星、テラスで…きっとその夜は帰れない)♪きっとその夜は……ちょっと演歌の歌詞っぽい。
マヤちゃん、ちゃんと独身男の別荘に誘われる意味わかってたんですねぇ。
連載の時は、あちこちのレビューで「マヤもしかして、単純にお誘いされたのが嬉しかっただけで、意味わかってないんじゃん?」という論調もあり、
美内せんせいがそれを耳にして、この2ページが追加されたのかも。
ドキドキドキ…
覚悟をきめたように胸元でぎゅっと拳を握り締めるマヤ。
「はい、速水さん……」


で、次ページの、「はい、あたしも一人で行きます速水さん」(決意の表情)につながると。
ΣΣ(゚д゚)←真澄
自分で誘っておいてすごい驚いている社長がかわいいです。
ここは白目になっていません。ホッ。


■船を降りたら紫織桜小路とバッティング。
真澄は紫織につきそうことになり、マヤを桜小路に託す。
送っていくという桜小路を振りきって速水に思いをぶつけるマヤ。


★改稿
新たに追加されたページはないんですが、構図とかコマ割りとかけっこう修正が入っていました。
いろいろ物議を醸した(?)巨大ますみんも、書き換えられていました。
私は前のほうが、二人の必死な感じがして好きだったです。あの構図のまま、うまいこと頭身だけ書き換えてくれればもっとよかったのに。
そして、その二人を目撃する、片目の周りだけ隈取りのように縦線が入っているヘンな桜小路の絵に改悪されています。かわいそうな桜小路君。


■桜小路事故る。
マヤは桜小路からもらったイルカペンダントを見つめながら、桜小路に付き合いを断ることを決心する。
 細かいようですがこのイルペン、ジュエリーボックスを開くと、中で自立(笑)しております。ちょっとカワイイ。
 しかし見れば見るほど、センスを疑うネックレスです。こんなんつける20歳女子がいるもんか……あ、マヤか。


■しおりの不審な言動を報告する水城&聖。
伊豆別荘にて、しおりがマヤのアルバムを持ち出し、紫のバラの正体に気づいたことを疑う真澄。


■桜小路入院。全治二ヶ月。
桜小路の病室の入り口の名札ですが、ぶっきらぼうに「桜小路」と書いてあるのみですが普通なんでしょうか? 「様」とかはつけないのかな。
この病室から夜な夜な(うそ)聞こえる桜小路のうめき声。
「うっ、うう〜ん、うう…」
この描き文字がホラーマンガのうめき声風でめっちゃ怖いです。とびらをあけると、全身ドロドロに溶けた桜小路がベッドでうめいていそうです。


■桜小路事故の報を受け、稽古場は騒然、桜小路に申し訳ないと思うマヤ。
何か考えがありそうな黒沼先生。
(この間に白目19、20、21、22、23


★新規追加
伊豆別荘で、マヤを思う真澄。
今も信じられない、こんな日がこようとは…あの子がそばにいるだけで全身が幸福感に包まれる。いとしくていとしくてたまらない。会いたくて会いたくてたまらない。全身を熱い血が滾るようだ……なんだこれは、本当におれか……)(白目24
めらめら燃える速水さん。
もうだめだ……に次ぐ炎の背景その2です。
「今もこの手にトキが残る……」と同じポーズではありませんか。


■そして本編一番の笑いどころ(?)、桜小路の登場シーン。
「やあ、おはよう、みんな」松葉杖で登場の桜小路。
ここのジャージのジャージっぷりがすごい。コントみたいです。
(私の脳内では、私の高校の指定ジャージの真緑色に変換されました)。
肩が盛り上がった変な体形といい、ギャグすぎ。
その前のページの、ベッドの脇で点滴ポールを支えにして「ふんぬ〜っ(白目)」となっている場面も相当……ぷぷぷ。ごめんなさい、桜小路君。


■黒沼先生、桜小路にはっぱをかける。


★新規追加
小野寺と、赤目が桜小路の事故をネタに高笑い。
「怪我をしたまま試演にでるだと」わーははは。
桜小路はなんと大都芸能の劇団オンディーヌを退団していたことが判明。
「では手加減しなくてもいいわけですな」「存分に……!若者を鍛えてやるのは先輩のつとめですからな」わーははは、わははは、ははは
絵に描いたような越後屋と悪代官。


★新規追加
大都芸能社長室にて。
結婚式までのスケジュールを真澄に報告する水城。
だが心ここにあらずの真澄。
「聞いてらっしゃいますの? ご自分の結婚式のことですわよ」
水城秘書によると、招待客は1000名越え、帝都ホテルの最高級大広間をおさえてある。ウエディングケーキは洋菓子界の女帝による5メートルの豪華ケーキ。料理は最高級素材を使った創作フレンチの特別メニュー、etc……。
すげーーーー。


しかし結婚式の引き出物にはつっこまずにはいられませんでした。
特製ボンボニエール(調べてみたら、お菓子入れなんですね。紀宮様の結婚式のときの引き出物でもあったそうです)はちょっと欲しいからいいとして、バカラのグラス、お二人のイニシャル入り……なぜイニシャル入れる? SとMのイニシャル入りなんて、せっかくのバカラが台無しではありませんか。そんな使えないものを1200組も特注するなんて。お願いだから、イニシャル入れないやつにして下さい!
招待客でもないのに思わず文句つけてしまいました。


「そうか、すべてキャンセルとなるとひと騒動だな」
「真澄様、いま、なんと……?」


あー、この場面、同じ会社員として、水城秘書が気の毒でなりません。
この結婚がらみのスケジュール調整やもろもろの手配、ものすごく大変だったと思うんです。
もともと彼女はこの結婚には納得できてなくて、なんどか、「本当にいいのですか?」みたいなことを真澄に尋ねています。それでも真澄が結婚するって言い張るから、秘書として準備を進めていたというのに。
やめるならもっと早く決心してくれればよかったのに。
もうバカラの引き出物にSMって彫っちゃったわよ、ホテルも飛行機も予約しちゃったわよ、どーすんのよこれ。私がキャンセルするの? 私が頭さげるのよね? 


真澄「あらゆる角度からキャンセルによる損失を想定してシミュレーションしてくれたまえ、水城くん」


はぁ? それも私がやるの? 
「おれは鷹宮一族を敵に回すかもしれん」ですってぇ? 
このタイミングかよ。ふざけんなーー!


おっと、またまた水城さんが乗り移ってしまいましたが、真澄の決意表明をきいた水城さんの表情は「怒り」でしたね。
「そんな……」ってつぶやきたくなる気持ち、すっごくわかります。
まあ、最終的には真澄の味方になってくれるとは思うんですけどね。


■姫川歌子に呼び出される小野寺と赤目。
撮影所に入るなり背後で扉をガラガラとしめられ、「えっ……おい!!」と、拉致でもされたかのようにあせる小野寺先生、笑えます。
そして亜弓の演技が始まろうとしているところで47巻終わり。


●感想
すごかったですね……。
桜小路パート亜弓パートは飛ばし読みで、マスマヤパートだけ何回も読んでしまいました。
真澄さんとマヤちゃん、お互いの思いが伝わったと、98%くらいは確信していいのではないでしょうか。あー、改めて、よかった。
でも2%ほど不安がよぎります。
この二人、「好き」って言葉はひとことも口にしてないんですよね。
今後マヤが「そういえば、好きって言われたわけじゃないし、速水さんが抱きしめてくれたのは紅天女に感激したから……」とか大かんちがいして振り出しに戻らないことを望みます。


真澄白目合計24回。
いくらなんでも、こりゃ多すぎでは。
白目にならなくてもいいところで白目になってます。
そんなに軽々しく白目になってて、眼球がもどらなくなっても知りませんよ。
特にマヤを部屋に案内するところから、数ページは「全真澄白目」。
あと、最初から最後まで顔あからめっぱなしです。ほとんどの真澄の頬に斜線が入っております。昔のクールな社長はいずこに?


二人が抱きあうシーン、身長差のせいで、真澄がへっぴり腰に見える絵が多くて残念でした。(マヤ156センチ、真澄185センチくらい?)
もうちょっとなんとかなりませんかね〜。段差を利用するとか。
伊豆でのシーンは期待するとしましょう。


しかし、やっと、ようやくここまでたどりついた真澄とマヤ。
どうか伊豆で二人が身も心も結ばれることを、引き続き祈りたいと思います。
あ、紅天女ですか……もう亜弓さんでいいのでは?
とにかくこの先の鬱展開に備えて、この47巻を(仮の)最終巻と位置づけて、今後の心の支えにしたいと思いました。


★余談
帯の後ろ袖に入っているデーブ・スペクターが鶏肉持った写真は必見! 「さあこい、ジェーン!」って。ヒーヒー。腹痛い〜。
デーブのことちょっと好きになっちゃいました!

両思いになった二人に暗雲が…「ガラスの仮面」別冊花とゆめ2011年4月号感想

別冊 花とゆめ 2011年 04月号 [雑誌]

別冊 花とゆめ 2011年 04月号 [雑誌]

●あらすじ
ついに夢のようなワンナイトクルーズは終わりを迎えた。
下船前、マヤに買ってやったドレスなどを自宅に送り届ける手配をしている真澄。
さすが社長気が利く。こういうことさりげなくしてくれる男っていいですよね。
マヤ(船を下りたら、またもとの生活にもどる…夢になってしまいそうでこわい。
速水さんは、あたしなんか想像もつかないくらい厳しい社会で生きているひと。それにくらべあたしは舞台と稽古場しか知らない。速水さんから見たらあたしなんか子どもに見えるよね…)とそんな速水を見つめている。
そのとき、真澄がマヤの肩を抱き寄せる。
「マヤ……この先何があって、俺を信じてついてきてくれるか?」


うーむ、ちょっと、先月号から飛んじゃった感があります。
甲板で(時が止まればいい…)と思ってから下船までにどんな会話があったのか、コミックス化の際には加筆がされるのでしょうか。


真澄「しばらく会えないかもしれないが、いつかきっときみを、いい形で伊豆に迎えたいと思う。それまで、俺を信じて待っていてくれ……!」
なんかもう……プロポーズ同然の言葉を吐く速水さんにびっくりです。
いい形=「婚約解消して身辺整理して」っていう意味だったら、たしかに当分会えなそうではあります。
マヤも決意の表情でうなずく。「はい、速水さん、はい……!」
この場面の二人のツーショットのコマ、すっごくいいです!
二人とも端整で真剣な表情。

さて、ロビーで待ち構えていた紫織さん、乗客の中に真澄の姿を見つけ、「真澄さま……」と近づこうとする。
なんと、真澄の後ろにいるのは、北島マヤ……。
ひきつった笑いを浮かべる紫織。
「なぜ彼女がここに……」
「彼女はあなたにこれを返しにきただけです。」
真澄は二つに引き裂いた一千万の小切手を紫織に渡す。「破いたのはぼくですが……」
何もいえずに青ざめる紫織。
そう、その一千万は、紫織がおつきの滝沢さんというおばさんを通じて、これ以上マヤが真澄に近づかないことを約束させるための手切れ金として渡したものだった。
真澄は「失礼、ぼくはこの子を送っていきます。あなたには改めて挨拶にうかがいます」と、冷たい顔で紫織をスルー。
!!!速水さんが、紫織さんにここまで冷たくしたのは史上初かも!
いつもは(うわべだけは)親切と甘言で取り繕っていたのに、マヤと気持ちが通じ合った今、何か決意が固まったのだと思いたいですね。


ショックを受けた紫織は、クラ…とめまいをおこし、ドサ!とお約束の卒倒。
やむを得ず真澄は紫織につきそうことに。
「すまない、マヤ、君を送っていくつもりだったが、きょうは一人で帰ってくれ。タクシー乗り場まで送っていくから」
「あたしも残ります!」というマヤに、「だめだ。きみは帰りなさい。君を巻き込みたくないんだ。マヤ……」とつらそうな速水さん。
「速水さん……」せつない表情のマヤ。
つい今朝のことでしたねー。「チビちゃん」→「マヤ」に呼び方を変えたんでしたね。
ここぞとばかりに「マヤ」を連発する速水さんに萌え(笑)。


タクシー乗り場付近、「そろそろ出てくる頃だな。マヤちゃんびっくりするかな」とノーテンキな桜小路くんの姿が。そこへ姿を現すマヤと真澄。
「あれは…速水さん? なぜ速水さんがここに」
真澄はタクシーにマヤをのせようとしていたが、そのときお互いに気づく三人。
真澄は何を思ったのかマヤを桜小路に送らせることを決意。(こんとき白目)
「桜小路君、彼女を稽古場まで送り届けてくれたまえ。君たち二人とも大事な役者だ。くれぐれも運転にはきをつけてくれたまえ」
「桜小路君、マヤを頼む」「は、はい……」
いつもと違う二人の様子に何かが変だと感じる桜小路。


マヤを桜小路に託した真澄は紫織が運ばれた医務室へむかう。
「さ、行こうか、マヤちゃん」とうながす桜小路だが、マヤは心ここにあらず。
「ううん、ごめん、一人で帰って、桜小路君。一人で帰って……」と駆け出すマヤ。
「マヤちゃん!」
「ごめんなさい、一人で帰って!」
一人でカエレって三回言った…桜小路くん気の毒。
(まって、まって速水さん、あたし、本当に大事なこと、まだ何も伝えていない……!)
医務室へ続く廊下で真澄に追いついたマヤ「待って!速水さん…!あたし、あなたに伝えたいことが……」
驚いて振り向く真澄の胸にものすごい勢いで飛び込むマヤ。
「速水さん、あたし……11も年下でチビちゃんだし、舞台と稽古場以外なんにも知らなくて、速水さんのことなんにもわかってあげられなくて……今は足手まといになるばかりかもしれないけど、あたしのこと待ってて下さい。速水さん……」
涙を流しながらあふれる気持ちを訴えるマヤ。
「あたし大人になりますから、早く大人になりますから、まっていてください速水さん、あたしのこと待ってて……」このときのマヤの表情は紫織と見紛うばかりの(笑)いまだかつてない大人っぽさです。色気すら感じさせます。
真澄感動! 愛おしさにあふれる表情でマヤを抱きしめる。
「もちろんだ……もちろんだとも。きみこそ俺を信じてまっていてくれ……」
コートもバッグも床に投げ出して抱き合う二人……!
ああクライマックス!!!
な、なんという神展開! マヤが誰にも邪魔されずに真澄においついた!
言いたいことちゃんと言った!
いいぞ!二人! よくやった!!!


がしかーし!
マヤをおっかけてきた桜小路がその光景を目撃していようとは!!!
(マヤちゃん、速水さん…どうなっているんだ、僕は夢を見ているのか?)
夢じゃないんですよ。桜小路くん。
ショックで口を押さえながらその場から走り去る桜小路。
(うそだろ……こんなことって……誰か夢だと言ってくれ)
だから夢じゃありませんって。とことん間の悪い桜小路くん。


マヤを返した真澄は医務室へ。患者さんとはどのようなご関係ですかと聞かれ、
真澄「婚約者です…」答えながら白目。
多分今更ながらに婚約の事実がずぅぅーーんと重くのしかかってきたのでしょうね。


医務室、貧血で気を失っている紫織の枕元、1000万もの小切手をマヤに渡して自分に近づかないように、なぜ紫織さんがそんなことをしたのか疑問に思う真澄。
(暴漢事件のあと、マヤがさっさと帰ってしまったとウソをついた。なぜそんなことを…)
…鈍すぎる真澄にまた腹が立ってきました。
マヤと真澄の絆に感づいて嫉妬しているからにきまっているじゃん!と読者はヤキモキ…男女の機微というか女性の心理にはさっぱり疎い速水社長です。


一方桜小路は呆然としたまま帰途へ。
(信じられない…マヤちゃんがあれほど憎んでいた速水さんと……速水さんだって婚約者がいるのに……たった一夜の船の上でふたりになにがあったんだ……)
たった一夜に見えるんだろうなぁ、桜小路君には。出会って八年の間の真澄とマヤの微妙に変化し続けていた関係の、まったく蚊帳の外にいたわけですもんね。
ショックすぎて信号が目に入っていなかったのか、目の前にせまったトラックに激突する桜小路のバイク
ドカッ(衝突音)
ワー!!(悲鳴)
ピーポーピーポー(救急車のサイレン)
ここのコマ展開速すぎてギャグみたいです。


さて帰宅したマヤは、アクセサリーケースから以前桜小路にもらったイルカのペンダントを取り出し、
(返さなきゃ……)と、桜小路とはつきあえないことを決意していた。
しかし稽古場に顔を出したマヤに桜小路事故の知らせが!
左足骨折、全治二ヶ月。試演はどうなる!?
ショックをうけるマヤ。
(もしかしてあの後……あたしが一人で帰ってなんていったから! もし一緒に帰っていたら事故にあわなかったかも。ごめんなさい桜小路君……)
ひとっかけらも悪くないのに、自分を責めるマヤ。あーあーもうー。
黒沼先生でも麗でもいいから何とか言ってやってほしいです!


大都芸能社長室で水城から桜小路事故の報告を受ける真澄。
試演に間に合わないので、一真役は代役を立てるかと問われ、待つように言う。
水城さんは、紫織が自宅で「わたくし紫のバラが大っきらい」と言いながら紫の薔薇をパチンパチンと切り落としていたことを報告。
さらに紫織の車からみつけた、引き裂かれたマヤの写真の切れ端を真澄にわたす。
水城さんGJです。


お次は聖さん登場。地下駐車場で聖と会った真澄は、マヤのもとに、「これが最後のバラです」というメッセージと一輪の紫のバラとともに、ズタズタに引き裂かれたマヤの舞台写真と卒業証書が送りつけられたことを知る。
フツーこの時点で紫織=犯人と気づきそうなものですが…。
でもマヤが「紫のバラのひとを信じている」と言っていたことを聞きちょっとうれしい真澄。
どうでもいいけど、この場面、わざわざ「地下駐車場」と字幕が入っています。
日帝劇場」みたいな感じです。


さて次のページでもう伊豆の別荘に来ている速水さん。フットワーク軽っ。
聖と会ってから車を運転してきたもよう。
水城〜聖〜伊豆まで同じ日です。(服装がおなじ)さすがマヤがからむと行動も早いです。
やはり別荘からはマヤのアルバムも卒業証書もなくなっていた。
(ここに来るのは俺と聖だけ。例外は…紫織さん!?)
鈍感な真澄もようやく犯人に気づく(遅い)。
まさか紫織さんが紫のばらのひとの正体に気づいたというのか…(白目)


そのころマヤはといえば…
稽古場でイルカのペンダントを握りしめて
(あたしの一真がいない…桜小路くんが、いない…!)
うつろな目で泪を流しているのでした。


ちょっとマヤちゃん!
さっきも言ったけどあなたはぜんぜん悪くないんだからそんな白目になる必要なんてないのよ!
桜小路くんが勝手に迎えにきて「一人で帰って」って言われたのに帰らないで勝手に目撃してショックで事故っただけなのに、
かなり責任を感じているマヤにまたちょっと腹が立ってきました。
せっかく真澄といい感じになれたのに、しっかりしないと!


続く




●感想

いやはや…
事態が急展開すぎてついていけず、何回も読みなおしてしまいました。


前半〜中盤はとてもいい! 完全両思いになった二人の決意も確信できたし。
なんといっても、マヤから速水さんへの告白、そして二人が抱き合う場面への流れが素晴らしい。
「椿姫」の客席で出会ってから30余年8年、13歳と24歳だった二人が、今、21歳と32歳ですかー。
近づいては離れ、いろいろあった二人がようやくここまで来たんですねー(感涙)。
以下5秒走馬灯。
大都芸能の速水真澄ともあろうものが11も年下の(以下略)、あなたはあの子を愛してらっしゃるのよ、グラス握りつぶし、お薬口移し、自宅軟禁、「おらあトキだ…!ジャリジャリ」、プラネタリウム、見合い、速水さんが結婚?どうしたんだろあたし変だ、紫のバラ正体バレ、社務所、宇宙をバックに魂の触れ合い、まさかあの子が俺をループ、指輪泥棒疑惑、ウェディングドレス・ブルーベリー事件(←あれこう書くとなんだかオシャレな事件ぽい)、暴漢事件、アストリア号、そしてこの度の「あたしのこと、待っててください…」
いやー、回想してみると、いいなあ、この二人の恋物語
一巻からマヤと真澄パートだけ読み返したくなりました。
途中でやめられなくなるので体力のあるときに限りますが…。


が、紫織が倒れたのは想定内としても、桜小路が事故るとは…。
紫織の悪事も半分バレて事態は混沌としてきました。
この先どうなるんでしょう。
「この先何があっても」という真澄の言葉がちょい不吉に思えてきてしまいます。
万が一マヤが罪の意識から、真澄をあきらめるなんてことになったらいやです!


でも、私の見解ですが、マヤが「今は足手まといになるばかり」「速水さんのこと何も分かってあげられなくて」と言っていたのは、婚約者がいる男が自分のことを好きだ、といういわゆる「大人の事情」を、わからないなりに受け入れたんだと思うんですよねー。
今までも何度もいい感じになりながらも「速水さんにはあんな綺麗な紫織さんがいるのにあたし馬鹿だ」とゼロか1かみたいなところがあったマヤだけど、それを卒業しつつあるのかなーと解釈しました。
それがあの「大人になるから待っててください」発言だったのではと。


だから速水さんもここは奮起して欲しいです。
こんなときこそ、Wikiいわくの「容姿才能ともに優れた敏腕経営者」ぶりを発揮して欲しいものですね。


マヤと真澄のお約束の伊豆別荘ですが、すでに紫織さんに侵入されて荒らされていますし、場所変えたほうがいいかもしれませんね。
紫織さんに知られてるって言うのは非常にヤバイです。いざというとき、邪魔が入る可能性も大。
別荘がやけに断崖絶壁に建っているのも気になります。(紫織が自殺未遂とかしないことを祈るばかり)
もういいかげん真澄さん寸止めはかわいそうすぎます。ここまで抑えに抑えてきたんですから、心置きなく思いを遂げてもらいたい。
そこで私のおすすめはマヤがむかしヘレン・ケラーの稽古をした、軽井沢の別荘。
「速水さんここって…」「聞いてくれ、実は…」てな感じで到着したとたん紫のバラのことも自然に告白できそうです。
一石二鳥だと思うのですがいかがでしょうか。

速水社長とマヤちゃんがとうとう…「ガラスの仮面」別冊花とゆめ2011年3月号感想

別冊 花とゆめ 2011年 03月号 [雑誌]

別冊 花とゆめ 2011年 03月号 [雑誌]

もう30年以上読み続けているこのマンガ、ネットで盛り上がっているのを知り、たぶん十数年ぶりに漫画雑誌「別冊花とゆめ」を買ってしまいました。
その3月号をご紹介します。


●前回までのだいたいのあらすじ
偶然豪華客船アストリア号のワンナイトクルーズに乗り合わせることになったマヤと真澄。
2人で楽しい時間を過ごすうち、紫織が画策した指輪事件などによるお互いのわだかまりも消えていき、昔のような屈託のないやりとりが。
夜になり、速水はマヤを、紫織が真澄と既成事実をつくるためにリザーブしてあった部屋へ案内する。
おれはその辺で寝るからとマヤを部屋に残し去る真澄。
豪華なダブルベッドを見たマヤはショックを受け、真澄が紫織のために用意した部屋でなんか眠れないと涙を流しながら真澄に部屋のカギを返しに行く。1人デッキで酒を飲んでいた真澄はうろたえ、あの部屋は紫織が勝手に予約したもの、君に会うまでは泊まらずにかえるつもりだったと必死の言い訳(笑)
そしてあげくはカギを夜の海に放り投げる。
結局ラウンジで眠った2人、次の日、目を覚ましたマヤは朝焼けの空のあまりの美しさに真澄を起こし、甲板へ連れ出す。
速水さんが間に合ってよかったと嬉しそうなマヤに戸惑う真澄。
もしかしてあの暴漢事件のあと、大怪我をして気を失っていた間に夢うつつで聞こえたマヤの愛のセリフ。
夢ではなく現実……?
あの日社長室に落ちていた血染めのハンカチを内ポケットから出して差し出すとそれを真っ赤になって受け取るマヤ。
やっぱりこのハンカチはマヤのものだった!
それでもどうしても確信が持てないネガティブ真澄。あのとき耳にした言葉(阿古夜のセリフ)を直接自分の耳で確かめたい!
真澄はマヤに、ここで阿古夜を演じてみてくれと頼む。今、船上の阿古夜が始まった……!!


●3月号あらすじ
真澄への気持ちをこめて阿古夜のセリフを言うマヤに、「このセリフ、覚えがある。まさか(あれは夢ではなかったのでは)……?」と思うものの、いやいやまだまだ、この程度では確信が持てない超ネガティブ思考の真澄、念のためもう一回確認するべく演技をいったん中断させ、もいっかい暴漢事件のとき耳にしたセリフからやってくれと頼む。
「?」と思いながら繰り返すマヤ。
そこでようやく「あれは夢ではなかったのか」と確信する真澄。
「信じられない。マヤがおれを……このおれを……?」
しかしまだ語尾に「……?」つきの上、「おれを…」までで思考停止してます。「おれを……好きだったのか?」くらいまで踏み込んで思う勇気のない速水社長が哀れです。ネガティブ思考は骨の髄までしみこんでいるようです。


さて演技はクライマックス。手すりにかけてあった真澄の上着を抱きしめ、「おまえさまにふれているときはどんなにか幸せ……」と陶然とほおを寄せるマヤ。
口ぽかん状態でかたまってしまった真澄。顔を赤らめて(冒頭から赤らめっぱなしですが)ぼうっとしております。
(そのとき……おれはどうしようもないほど無防備な表情をしていたと思う。まるで自分が抱きしめられているような気がした……)
いきなり過去形でモノローグ。
おもむろにスッと真澄に近づいたマヤ、真澄の頬に「ピト」と(この擬態語もどうかと思うが)手を当て、「捨てて下され名前も過去も……阿古夜だけのものになってくだされ」「離れることなどできませぬ。永遠の命のある限り……」真澄をまっすぐに見つめるマヤ。二人のバックには今まさに上り来る朝日が……!!


真澄陥落。


次ページをめくると読者はぎょっとすること請け合い、丸々1ページを割いて、ゆらゆらと立ち上るオーラをバックに白目赤面という表情コラボレーションにて仁王立ちする真澄……のバックにさらに同じ表情の真澄のドアップ。
アップとロング、ダブルの白目真澄にかぶさる「ああ……もう……だめだ……」(「だめだ」がひときわ大きい)の文字(失礼ながら笑いを抑えきれませんでした。ちなみにこのページの真澄、デッサンもゆらゆらと狂いまくりです)
「だめだ」ってなにがだよ、と思ったら、隣ページにぎゅっと目を閉じた真澄の心の叫び「完敗だ……! これ以上自分の心をだませない」ですって。
(いままでオレが必死に保ってきた理性が、突き上げる感情に)「完敗だ」ってとこでしょうか。
サイヤ化した真澄は、ついに自分の感情のままにだっとマヤに駆け寄り、抱きしめた。
ビックリするマヤ。嬉しいと言うよりもビックリしてるマヤちゃんと必死な真澄の温度差が笑えます。
「もういい、もうやらなくていいから……わかったから」
残念、サイヤ化中途半端。
「わかったから……」だけじゃわからないでしょうが。好き、愛しているなどの決定的な一言をどうしても言えない真澄。読んでいる方としてはこのへんでだんだん腹が立ってきます。
案の定、人一倍鈍いマヤには、何を「わかったから」なのかはっきり理解できていない様子。戸惑っていますが、愛する真澄から抱きしめられたのですから、当然イヤなわけありません。


そこへぞろぞろと朝日を見に上がってくる乗客たち。
「わっラブシーン」「ぎょっ」
「速水さん噂になってます」と身を引こうとするマヤ。速水よりよっぽどまわりの状況が見えているみたいです。
ところがいつもの速水さんなら「はっ」(白目)でマヤを離すだろうに、「ギュ」とさらに抱きしめる。
びっくり(私が)。どうやら……速水社長、ネガティブぐるぐるループから一歩抜け出せそうかも!
「かまわん……君は嫌か、オレと噂になるのは」
「いいえ……いいえ速水さん」
「ではもうすこしこのままでいさせてくれ、頼む」
「はい……」
速水の言葉に、マヤも真澄を抱きしめかえす。
抱き合う2人の姿に、「行きましょう、邪魔しちゃ悪いわ」空気を読んで去っていく乗客たち。(KY桜小路くんとは大違い。)
甲板2人占め状態は続く。


やがて我に返った速水。驚かせてすまなかったなどと言いながら、マヤから離れる。
海の方を向きながら、マヤを、今後チビちゃんではなく名前で呼んでもいいかと。マヤと目を合わせられず耳までまっかにしてあさってのほうを向いております。
この時点で、真澄の心は(やや弱気ながら)ようやく「2人は同じ気持ちなのかもしれない」という確信?が芽生えつつあったのでしょうね。
だから、(恋人同士のように)名前で呼んでいいかってきいたんだと思います。どきーんとするマヤ。
(違う呼び方……速水さんそれって…)
「マヤ……」と見たこともないような腑抜けな甘い顔でマヤを見つめて初呼び。(いままでもどさくさにまぎれて何度も呼んでたじゃんねぇというツッコミはなしで)
マヤ真っ赤になって顔から湯気状態。「……はい」


ハラが決まったのか、ややリラックスして語り始める真澄。
あの伊豆半島のどこかに自分の隠れ家がある。白い砂浜、夜は満天の星空……☆
そこへ行くと本当の自分を取り戻せる気がすると。


そしてそして、たぶん心臓ばくばく度200%の真澄が言い放った一言。
「今度あそびにくるか?」
「え?速水さん今なんて……?」と無邪気に見上げたマヤがみたものは、顔真っ赤にして口を押さえてる社長の横顔でした。
(ここの真澄のアップのコマ、正視できません。キモすぎて……いえいえ恥ずかしすぎて)
自分でも自分の言ったことが信じられないのかぽろっと出てしまったのか。
我に返ったように「嫌なら断っても……」といつものくせが顔を出しかけますが、そこに「いいんですか?」と無邪気に答えるマヤの声がかぶさる。「速水さんのそんな大事な場所にあたしなんかが行っていいんですか?」と素直に嬉しそう。
真澄は自分の耳まで信じられないのか、自分で誘ったくせに動揺して思わず聞き返します。
「いいのか? おれひとりだぞ」
いつもなら「もちろん大都芸能の社員を招いて年に一度開いている慰労パーティーのことだからな。俺1人ってわけじゃないぞ。何か期待してたのなら残念だったなチビちゃん、まだ早いぞハハハ。」などと思いっきりごまかしそうな真澄なのに……。
(ここまでリアルにセリフまで想像できるとは、読者としても相当ネガティブ思考がすり込まれているもようです。)
まあそれだけ今の真澄は皮肉屋の仮面をかなぐりすてて素直になってるってことでしょう。
対するマヤの答えはなんと
「はい、あたしも1人で行きます速水さん」


ちょっとマッタァーーー。
30男の別荘に1人招待される意味分かってるんでしょうかマヤちゃん……いや、信じられないが、さすが平成マヤはわかってるみたいです。
だって、頬に一筋、決意の「汗」かいてますもの。
真澄「いいのか? 本当に」
確認しすぎです(笑)。あまりに長年思いを押さえてきたので、よっっっっぽどこの状況が信じられなかったんでしょうね。これが曲がりなりにも冷血仕事虫と言われた大企業の社長でしょうか。ちょっとかわいそうになってきました。
「はい、迷惑じゃなければ……」
(マヤ……!)(速水さん……!)
見つめ合う2人。勇気を出してよかったですねぇ、社長。


そのころ、町中をドドド……と埠頭へ向かう桜小路のバイクが。
オイ来るなよ……ドドドじゃねーよ……と読者の9割がツッコミをいれたことでしょう。
黒沼先生からマヤが紫織さんを追ってアストリア号にうっかり乗り込んでしまったと聞いたらしい。
「マヤちゃんらしいなまったく」「僕が迎えにいったらマヤちゃんビックリするかな……」だって。事情が分かってる読者は失笑するしかありません。
ああこれは現実世界にいたらウザイひとだろうなー。決して悪いやつではなくむしろいい人なんですが。
関係ないけど「相棒」の陣川警部補をちょっと思い出してしまいました。


船上では朝食も食べずに甲板に2人たたずみ海をみつめる真澄とマヤ
「このまま時間が止まればいい……」
って、このモノローグ梅の里やらで何回も聞いた覚えが。
大人ならそんなこと思ってないで、現実的にするべきことを考えてほしいものです。伊豆別荘の前に、真澄は婚約解消、マヤは桜小路に交際申し込みの断りを入れるという重大な責務が。

そしてザザ……ンンと波が打ち付ける港。
青ざめた紫織が立ち尽くしている。
「真澄様……」

つづく。


●あらためて感想

買って良かったです!!!

ついについに、速水真澄と北島マヤがお互い意地を張るのをやめて両思いらしきこと(まあ、前から両思いでしたが)になっているではありませんか。
ちょっと遅すぎた感もありますが。
あまりの展開の遅さとじれったさと休載の多さに、一度読むのをやめていたのですが、こんなことになっていようとは。
甲板で抱き合う2人の姿を本物の印刷物として見たときは目頭が熱くなりましたよ……。

真澄はwikiの人物紹介で「能力・容姿共にすぐれた辣腕経営者」などと紹介されているのですが、どこがだよ!とつっこみたくなるようなこの10年くらい(作品世界では2年くらい?)のヘタレっぷりからようやく奮起して、とうとうマヤと思いを通じ合わせることができたのです。

社長には婚約解消に向かってつきすすんでほしいものです! どうか遅すぎませんように…。
心から応援しています。


★余談
「捨てて下され名前も過去も」という阿古夜のセリフ、なんだか節がついてそうないいまわしですね。 さては南京玉すだれ♪……みたいな。

●デモンズ2001

デモンズ2001 [DVD]

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●あらすじ
どう見ても大学教授にゃ見えないカール・アーバン(役名忘れました)が、悪魔に逆恨みされ、次々とひどい目に遭うお話。あまり考えないでカール鑑賞のためだけに見るのがよいと思われます。


●感想
こんなマイナー映画で熱演するカール・アーバンがかっこよすぎ
マイナーって言ったけどこれ隠れた名作じゃないですかね?
つかカールファンならぜったいみなきゃだめな一本だと確信。
私のカール・ベスト映画に決定!(なんたって主演だし)

B級の悪魔映画としてのお約束がてんこ盛りで楽しい。カールファン・フィルターがかかっているとはいえ、まじめに「悪魔」を考えてみましたってな「エンゼルハート」なんかよりずっと面白かったです。
あやしい教祖、東洋趣味、蝋燭、ざらついたビデオ画面に映し出されるヤバイ儀式、取り出されたむき出しの心臓、黒聖書など、日曜の昼下がりにテレビ東京で放映しててうっかり見ちゃうような、絵に描いたようなB級っぷりが逆にすがすがしい。ちょっとしか出てこないけど悪魔のシルエットはあくまでも悪魔。
制作陣一同、楽しんで作りました感満載。
メイキングで、低予算なりに知恵を絞り、工夫してつくったことが明かされます。
「照明が足りないから、水の反射を利用したんだ。うまくいったよ♪」
「シナリオでは屋根の上の場面だったけど、機材を上に上げるお金がないんで、床下に変更したのさっ」などと誇らしげに語るスタッフや監督たち。GJです。
その涙ぐましい努力のかいあって? 画面としてはそれほどチープにならずに、不気味な雰囲気を出せていたと思います。場末のホテルはほんとに場末のホテルで撮影して予算を浮かせたんですかね。ありえないほどひでぇホテルです。

当時20代後半だったと思われるカールがもう体当たりって言葉がぴったしの大熱演。
えんえんと床下を這いずり回り、首輪でチェーンにつながれ、チェーンソーでおそわれ、急所を蹴られ、バスタブに沈められ、極めつけはゴキブリを顔に山盛りにされる。口の中につっこまれる(ギャー)、あれ、生ゴキブリらしいですよ。
カール曰く「頭をからっぽにして臨みました」って、そうだろうな。シナリオをじっくり読んで、どう演じるかなんて考えるのもやだろうな。
よだれ、ゲロ、鼻水、涙、血、あらゆる液体まみれになりながら、カールがんばった。しかもけっこう演技がうまいですカール。最後まで大学の先生には見えなかったけど。同じ指輪役者でも、オーランド・ブルーム(まれにみる大根)とは比べものになりませんです。

しかもカールはものすごくスタイルがいいので、ただ突っ立ってるだけで画面映え。
身長185センチだそうですが、頭が小さく、手足が長く、何を着ても似合う。
この映画の中では何気にけっこう着替えてるんですよ。カールが。
スーツ、パーカー、パジャマ(カワイイ)、ラグランTシャツ、オッサンシャツ、病院服、裸に犬の首輪スタイルまで着こなしてしまう、スーパーモデルのような体型。いやうらやましい。
横から見た頭の形が、ヨーロッパの男の子みたいでとってもかわいいです。
そんで目がきれいです。ヘーゼルっていうのでしょうか、緑がかった明るい茶色で、アップになると宝石のようです(ちと大げさ)
童顔で、あごがとがってて、笑うと丸顔になって、ほんとに性格のよさがにじみでてかわいいです。
カールの(スポーツ以外の)趣味はガーデニングだそうですが、まさに畑仕事が似合いそうな素朴さがステキ。

しかもラブシーンまで!?うはー。
もうカールファンのための大サービス。相手の女の子は、ちょっとニコール・キッドマンというか、ヘレナ・ボナム・カーターっぽくてコワかわいかったです。

始終カールの裸に気をとられたせいか、ホラー&虫が大っ嫌いな私がそんなに恐怖も嫌悪感も感じませんでした。(低予算チープ画面のせいもちょっとあるけど)
カールのヌードはゴキブリを超えた。
実際この映画のおかげで、ゴキブリちょっと怖くなくなったかも。