祝・新刊発売「ガラスの仮面」47巻感想〜社長、最近白目ハードルが低すぎです

ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)

未読だった連載分も収録されていたので、最初からご紹介します。
また、この巻真澄の白目率がハンパナイので、カウントしてみました。



運命のいたずらか、ワンナイトクルーズに乗り合わせた二人。
(マヤ……これは夢か)
(速水さん、なぜここに……)
二人の思いを乗せ、出航するアストリア号……。
ここの船の絵なんですけど、ゆったりと出航する豪華客船というより、「ザザッ」という効果文字のせいなのか、結構なスピードで、いちもくさんに東京湾を出て行っているように見えます。そう、まるで紫織から逃げるかのように……。


で、いきなり場面がすっとんで、二人で向かい合って豪華レストランで食事している場面。
ちょっと唐突感。
正装した乗客の中、「Love For You」のロゴ入りTシャツで浮きまくっているマヤは居心地悪そうです。レストランのお客さん全員の目が二人に注がれています。ヒソヒソ……
「噂になってます」と気にするマヤに「おれはいっこうにかまわん」と余裕の真澄。
お、ちょっと昔のカッコよかった真澄の面影が戻っています。
「どう見てもカップルには見えん。せいぜい叔父と姪か」
ゴン!ずっこけてテーブルに頭をぶつけるマヤ。
おお、この流れ、まさに昭和の少女漫画の様式美!

昔のように漫才もどきの会話をしているうちに、船のスタッフから紫織の伝言「渋滞で間に合わず、おひとりにしてしまってすみません」を伝えられる速水。
真澄がこの船で紫織とデートのセッティングをしたと思い込んだマヤは落ち込む。


真澄「ときに、この船で人を探していると言っていたな」
(話を切り出すときに「ときに」って言う人いまどきいるんですかね)。
真澄に「紫織さんか」と図星をさされたマヤはごまかすことができずに、紫織からの「真澄に接近を禁止する約束金一千万円」の小切手を返すためだったと打ち明ける。
驚く真澄。
「黒沼さん、怒ったろ?」
「ええ、もうカンカンです、今すぐ返してこいって」
「あたし、何もしていません。本当です。あなたの大切な婚約者(フィアンセと読む)にあたし何も……」
「だから受け取れません、そんなお金!」
真澄はフッと笑って、「俺としても君に会えなくなるのは困る」。
お、良い展開!と思うも「君といると退屈しないからな」……ひと言余計です。
ビリっと小切手を引き裂いて「これがおれの気持ちだ。君を疑ってすまなかったな」
あれあれ、指輪泥棒疑惑も、ウェディングドレスブルーベリー事件もあっさり誤解がとけました。ちょっとあっさりすぎ。これでこの話おしまい? うーん、なんだったんでしょうかあの事件。


夕食後、真澄の計らいでドレスアップしてもらうことになるマヤ。
用意が整って、真澄の前に、じゃーんとマヤがあらわれました。
えーと……ドレスと靴はまあいいとして、髪型とかもうちょっと可愛くできたんじゃないかと思うんだけど……いやいや普段のマヤからすればじゅうぶんですけどね。
そんなマヤに真澄は釘付け、「見とれてらっしゃいますのね」とビューティーサロンの人にも言われてしまいます。
(初めてこの子がまぶしく感じられる……)(白目1
って今更なにいってんのアンタ、と突っ込んだ人も多いのではないでしょうか。
ずっと前からマヤにベタボレなくせに〜。
お礼を言うマヤに真澄は、
「礼はいい、豆ダヌキがレディに変身するのを見られたんだからな。」
……また始まった。どうしてこう素直じゃないのかこの社長は。
「きれいだ、見違えた」と、正直な気持ちを言ってあげればどんなにいいか。
案の定かみつくマヤ。
「見かけは変わっても中身は相変わらずだな、チビちゃん」「速水さん!」はははは…。


ところがここでマヤが思いがけない反撃(笑)に出ました。
「あたしのこともうチビちゃんって呼ぶのやめてください。あたしもう大人です!」
「お酒だってのめるんです」
「結婚だってできるんですから!」
ぴくっと反応して振り向く真澄(白目2
「そうか、そうだな、初めて会った13歳のころとは違う。いつかは結婚するんだな。君も誰かと……」
「はい、いつかは……あなたが紫織さんと結婚するように」


グサッ!(白目3)ザザ……ン(波の音)

このコマの白目真澄はなんだか「白目」っていう持ちネタを披露している芸人みたいでほんとに笑えます。アメドラの「ダーマ&グレッグ」とかなら絶対バカ笑いの声が入っているシーンでしょうね。


ところでマヤったらなんでそんなこと言うんだと思いましたが、速水さんと紫織さんが結婚するっていうつらい事実をマヤなりに長い時間をかけて、受け入れようとがんばっていたのではないでしょうか。
そしてようやく、なんとか笑顔で話題にできるくらいにはなっていたと。
真澄にいきなり話題にされて傷つくより、自分から無理にでも言っちゃったって感じかなぁ。
そんなマヤの気持ちも知らず、白目をむきまくる真澄。


ショーを見物しながらも、マヤがいつか結婚結婚結婚結婚…という可能性をつきつけられたせいか、暗ーく黙りこくっている真澄に「紫織さんが来られなくなったから、きっとがっかりしているんだわ」とこちらも見当違いもいいところのマヤ。
ダンスが始まったフロアに目を奪われているマヤに真澄は、「ぼくと踊ってくれませんか、北島マヤさん」と申し込む。
踊れないというマヤに、「前に一度踊ったろ」

そうでした。えーっと、あれは「奇跡の人」の受賞パーティーの時でしたね。うっかり紫のバラの正体がバレそうになって、最後まで踊れませんでしたが。いやー、なつかしい。5、6年前のはずですが、何十年も前のことのような気がします。
真澄のリードで軽やかにダンスをこなすマヤ。マヤって運動神経ないといいつつ、運動能力はありますよね。


紫織との義理ダンスと違って、本当に楽しそうな真澄。
一応女優のマヤと、長身イケメンの真澄のダンスは周囲の目を引き、拍手が沸き起こります。
「ダンスお上手なんですね、知らなかった」というマヤに、
「仕事上必要だったから、昔習ったが、楽しいと思ったことはなかった。君以外はな、チビちゃん」
「君は面白いからな」(頭ナデナデ)
……マヤが素直になりかけるたびにオチをつけずにはいられない悲しい習性の真澄。


甲板に出て満天の星を見る二人。
「あ、あれ白鳥座
梅の谷で真澄に教えてもらった星座をマヤ覚えていました!エライ。
「2度目ですね。満天の星。梅の谷とこの海の上と。あの時も速水さんが隣にいました」
今度は真澄もちゃかしたりせず、ふたりで星を見つめます。いい雰囲気。


やがて夜もふけ、マヤをロイヤルスイートへ案内する真澄。
さっきから船内のどこにも他の乗客の姿がないんだけど……などと野暮な突っ込みはやめときましょう。
マヤの前を無言で歩く真澄(白目4)。
やがてロイヤルスイートの扉の前に到着。
(ここ……? 速水……さん?)(白目5
通された豪華な部屋にマヤびっくり。「わあ……」と感心していますが、はっと気がつきます。
(速水さんと二人きり……)(白目6
(この部屋で……)(白目7
白目8アップ。(厳密に言うと半白目、「うつろな目」ってやつですかね。……怖いんですけど。)
真澄、ここでようやく白目解除。
「安心しろ、きみをおそったりはしない。そうおびえた顔をするな」だって。
また心にもないこと言っちゃってます。何も言わないほうがまだマシですよ、これじゃ。
ことマヤに関しては、どうしても、「嫌われたくない」とか「本当の気持ちを知られたくない」という思いが先にたって、逃げ場を作って置かずにはいられないんでしょうね。


真澄は、「この部屋は君がつかうといい、おれはどこかほかで寝る」と、鍵を置いて部屋を出て行きます。
紳士なのか馬鹿なのか……。
そして出ました今回の主役(笑)!!天蓋つきの豪華ダブルベッドに気がつくマヤ!
Σ(゚д゚lll)ガーン
並んだ枕の生々しさにショックを受けるマヤの脳裏には、抱き合う真澄と紫織の姿までありありと浮かんでくる始末。
「いやだ、こんな部屋であたし寝られない!!」
泣き崩れるマヤ……あーあ、かわいそうに。


デッキで酒を飲んでる真澄のもとに、べそをかきながらマヤ登場。
ドレスから「Love For You」パーカーに着替えております。
「シンデレラの時間は終わりました」
「いただいた靴とバッグお返しします」
「それからこれ、部屋の鍵。やっぱりあの部屋、速水さんが使ってください」
「あの部屋、速水さんが紫織さんのために用意したものですよね。あたし、そんな部屋でなんか寝られません!」
言っているうちにまた、じわ……と涙がわいてくるマヤ。ほんとにかわいそう。
立ち去ろうとするマヤに「待て!」(白目9)で呼び止める真澄。


「あの部屋はおれが用意したものじゃない」
「おれは何も知らずにこの船へ連れてこられたんだ」(すでに誘拐犯のような扱いの紫織)
「このクルーズは紫織さんのサプライズなんだ!」
ものすごい勢いでマヤに言い訳する真澄(笑)。
そして背を向けて(白目10)「一度は帰ろうとしたんだ。君の姿を見るまではな」
(速水さん……!)
鈍いマヤもなんか気がついたか?


「おれもあの部屋に泊まるつもりはない」(白目11
ヒュッ、夜の海にカギを投げ捨てる真澄。
オイオイ……小学生かよ、と思ったものの、とにかくマヤの誤解をときたい一心で、「あ、あのダブルべッド断じておれがやったんじゃない、おれじゃないんだー」と軽くパニックをおこして衝動的にやってしまったようで、まあ許してあげましょう(何様)
海をみつめる真澄(白目12)。ザザ……ン。
(もしかして速水さんもあたしと同じ気持ち……?)
白目13真澄を見つめるマヤの胸にほのかな期待が。
でも、こちらもいつもの悪いクセが出て
(そんなはずないよね……あんなに美しくて素敵な(以下略))としょんぼり。


ばかっ。パシッ。社長も社長ならマヤちゃん、あなたもよ! なんでいつもそういう思考から抜け出せないのかしら! いい加減になさい!
失礼、つい水城さんが乗り移ってしまったようです。


真澄はマヤに「夜風は冷える」と上着をかけてやります。梅の谷のデジャヴ再びですね。
「あたし、まだここにいていいんですか。あなたのそばに……」
「ああもちろんだ。一緒にいるしかないだろう。なにしろ二人とも帰るべき部屋がないんだからな」
あはは、きゃっきゃっ、はははは……夜空に二人の笑い声がひびきます。
ここ別に笑うところじゃない気がするんだけど……まあいいか。
「ドレスと靴、よく似合っていた、受け取ってくれないか」とようやく素直になった真澄。マヤも「ほんとはあたしも気に入ってました」と素直に。
そうそうキーワードは「素直」!それしかないんですよ。ふたりとも〜。


次の場面、あれ? もう朝日が水平線に顔を出してます。
あれからふたりともすぐに寝ちゃった模様。
せっかく、これから二度とないかもしれない機会なのに、なんともったいない……。
徹夜で話をして(もしかしてそれ以上も)お互いの心の内をもっと見せ合えばいいのに。


美しい朝焼けをみせようと、真澄の手をとり甲板へ連れ出すマヤ。戸惑う真澄。
(どういうつもりだ……おれを憎んでいるのか、それとも……)(白目14
血染めハンカチを内ポケットから取り出してマヤに返す。
「これを……忘れ物だ。暴漢に会った夜におれの部屋に落ちていた。せっかくのハンカチをおれの血で汚してすまなかったな」
プチ策士真澄、がんばってカマかけました。
真っ赤になるマヤ。どどーんとマヤの赤面顔。こんなどアップ今までありましたっけ? ガラかめ史上初めてでは。
(まさか……気づかれてた? 速水さんに……あのときのハンカチ)
(なんだこの表情、なぜおれの顔を見ない、目をそらす……?)
「ありがとうございます」マヤがハンカチを受け取りました!
真澄白目15(受け取った……ではあの夜)(もしかして……)
以下略。もうええっちゅうねん。
思考が同じところをぐるぐるぐる。煮え切らない真澄にちょっとイライラします。


そういえば暴漢事件の時の傷はもう治ったんでしょうかね。
頭をバットで殴られて出血→意識不明という状態にもかかわらず、医者にも行かずマヤの看病だけですからね。(翌日行ったのかもしれませんが)
ハンカチが血染めになるくらいだから結構な出血量だったと思うのですが。絵で見る限りはすっかり治っているようです。髪の毛の中に傷口があるのか、部分ハゲにならないことを祈ります。



さて、ここからの流れはだいたい、以前記事にした雑誌掲載分と同じです。
ざっと流して、新たに追加された場面を主に紹介します。



■阿古夜を演じるマヤのセリフをきいて、暴漢事件の夜自分が見た夢は現実だったと確信する真澄。自分を抑えきれなくなりマヤを抱きしめる。
(この間白目15、16、17、18あり)


★新規追加
真澄「いつからだ……いつからおれをいやじゃなくなった…。今まで君にきらわれているとばかり思っていた」
真澄、これで精一杯。
マヤ「はじめは……でも……あたし誤解していました。それにあたしのこと子どもだと思ってるって、相手になんかされないって……」
なんか答えになっていないような。
「あなたのお見合いの話を聞いた時、とても心が苦しくて……」くらいつっこんだこと言えばいいのに。


抱き合ってから、体を離し、見詰め合う二人、ページをめくると……
そこは普通キスでしょうが! どう考えても!
残念ながら、キスへの改稿はナシでした。期待していたんですけどね。


伊豆半島を眺めながら、伊豆の海辺にある別荘にマヤを誘う真澄。
せっかくのロマンチックなシーンでギャーギャーうるさいかもめの鳴き声がちょっとじゃま。

連載では正視できなかった、マヤを誘ったあとの、赤面しながら口を押さえる真澄の表情がちょっと改変されていました。
さすがにキモすぎと先生も思ったのか……?!


★新規2ページ分挿入
「いいのか、おれ一人だぞ」と言われ、
ドキーーン。
(速水さんひとり、別荘にふたりきり。満天の星、テラスで…きっとその夜は帰れない)♪きっとその夜は……ちょっと演歌の歌詞っぽい。
マヤちゃん、ちゃんと独身男の別荘に誘われる意味わかってたんですねぇ。
連載の時は、あちこちのレビューで「マヤもしかして、単純にお誘いされたのが嬉しかっただけで、意味わかってないんじゃん?」という論調もあり、
美内せんせいがそれを耳にして、この2ページが追加されたのかも。
ドキドキドキ…
覚悟をきめたように胸元でぎゅっと拳を握り締めるマヤ。
「はい、速水さん……」


で、次ページの、「はい、あたしも一人で行きます速水さん」(決意の表情)につながると。
ΣΣ(゚д゚)←真澄
自分で誘っておいてすごい驚いている社長がかわいいです。
ここは白目になっていません。ホッ。


■船を降りたら紫織桜小路とバッティング。
真澄は紫織につきそうことになり、マヤを桜小路に託す。
送っていくという桜小路を振りきって速水に思いをぶつけるマヤ。


★改稿
新たに追加されたページはないんですが、構図とかコマ割りとかけっこう修正が入っていました。
いろいろ物議を醸した(?)巨大ますみんも、書き換えられていました。
私は前のほうが、二人の必死な感じがして好きだったです。あの構図のまま、うまいこと頭身だけ書き換えてくれればもっとよかったのに。
そして、その二人を目撃する、片目の周りだけ隈取りのように縦線が入っているヘンな桜小路の絵に改悪されています。かわいそうな桜小路君。


■桜小路事故る。
マヤは桜小路からもらったイルカペンダントを見つめながら、桜小路に付き合いを断ることを決心する。
 細かいようですがこのイルペン、ジュエリーボックスを開くと、中で自立(笑)しております。ちょっとカワイイ。
 しかし見れば見るほど、センスを疑うネックレスです。こんなんつける20歳女子がいるもんか……あ、マヤか。


■しおりの不審な言動を報告する水城&聖。
伊豆別荘にて、しおりがマヤのアルバムを持ち出し、紫のバラの正体に気づいたことを疑う真澄。


■桜小路入院。全治二ヶ月。
桜小路の病室の入り口の名札ですが、ぶっきらぼうに「桜小路」と書いてあるのみですが普通なんでしょうか? 「様」とかはつけないのかな。
この病室から夜な夜な(うそ)聞こえる桜小路のうめき声。
「うっ、うう〜ん、うう…」
この描き文字がホラーマンガのうめき声風でめっちゃ怖いです。とびらをあけると、全身ドロドロに溶けた桜小路がベッドでうめいていそうです。


■桜小路事故の報を受け、稽古場は騒然、桜小路に申し訳ないと思うマヤ。
何か考えがありそうな黒沼先生。
(この間に白目19、20、21、22、23


★新規追加
伊豆別荘で、マヤを思う真澄。
今も信じられない、こんな日がこようとは…あの子がそばにいるだけで全身が幸福感に包まれる。いとしくていとしくてたまらない。会いたくて会いたくてたまらない。全身を熱い血が滾るようだ……なんだこれは、本当におれか……)(白目24
めらめら燃える速水さん。
もうだめだ……に次ぐ炎の背景その2です。
「今もこの手にトキが残る……」と同じポーズではありませんか。


■そして本編一番の笑いどころ(?)、桜小路の登場シーン。
「やあ、おはよう、みんな」松葉杖で登場の桜小路。
ここのジャージのジャージっぷりがすごい。コントみたいです。
(私の脳内では、私の高校の指定ジャージの真緑色に変換されました)。
肩が盛り上がった変な体形といい、ギャグすぎ。
その前のページの、ベッドの脇で点滴ポールを支えにして「ふんぬ〜っ(白目)」となっている場面も相当……ぷぷぷ。ごめんなさい、桜小路君。


■黒沼先生、桜小路にはっぱをかける。


★新規追加
小野寺と、赤目が桜小路の事故をネタに高笑い。
「怪我をしたまま試演にでるだと」わーははは。
桜小路はなんと大都芸能の劇団オンディーヌを退団していたことが判明。
「では手加減しなくてもいいわけですな」「存分に……!若者を鍛えてやるのは先輩のつとめですからな」わーははは、わははは、ははは
絵に描いたような越後屋と悪代官。


★新規追加
大都芸能社長室にて。
結婚式までのスケジュールを真澄に報告する水城。
だが心ここにあらずの真澄。
「聞いてらっしゃいますの? ご自分の結婚式のことですわよ」
水城秘書によると、招待客は1000名越え、帝都ホテルの最高級大広間をおさえてある。ウエディングケーキは洋菓子界の女帝による5メートルの豪華ケーキ。料理は最高級素材を使った創作フレンチの特別メニュー、etc……。
すげーーーー。


しかし結婚式の引き出物にはつっこまずにはいられませんでした。
特製ボンボニエール(調べてみたら、お菓子入れなんですね。紀宮様の結婚式のときの引き出物でもあったそうです)はちょっと欲しいからいいとして、バカラのグラス、お二人のイニシャル入り……なぜイニシャル入れる? SとMのイニシャル入りなんて、せっかくのバカラが台無しではありませんか。そんな使えないものを1200組も特注するなんて。お願いだから、イニシャル入れないやつにして下さい!
招待客でもないのに思わず文句つけてしまいました。


「そうか、すべてキャンセルとなるとひと騒動だな」
「真澄様、いま、なんと……?」


あー、この場面、同じ会社員として、水城秘書が気の毒でなりません。
この結婚がらみのスケジュール調整やもろもろの手配、ものすごく大変だったと思うんです。
もともと彼女はこの結婚には納得できてなくて、なんどか、「本当にいいのですか?」みたいなことを真澄に尋ねています。それでも真澄が結婚するって言い張るから、秘書として準備を進めていたというのに。
やめるならもっと早く決心してくれればよかったのに。
もうバカラの引き出物にSMって彫っちゃったわよ、ホテルも飛行機も予約しちゃったわよ、どーすんのよこれ。私がキャンセルするの? 私が頭さげるのよね? 


真澄「あらゆる角度からキャンセルによる損失を想定してシミュレーションしてくれたまえ、水城くん」


はぁ? それも私がやるの? 
「おれは鷹宮一族を敵に回すかもしれん」ですってぇ? 
このタイミングかよ。ふざけんなーー!


おっと、またまた水城さんが乗り移ってしまいましたが、真澄の決意表明をきいた水城さんの表情は「怒り」でしたね。
「そんな……」ってつぶやきたくなる気持ち、すっごくわかります。
まあ、最終的には真澄の味方になってくれるとは思うんですけどね。


■姫川歌子に呼び出される小野寺と赤目。
撮影所に入るなり背後で扉をガラガラとしめられ、「えっ……おい!!」と、拉致でもされたかのようにあせる小野寺先生、笑えます。
そして亜弓の演技が始まろうとしているところで47巻終わり。


●感想
すごかったですね……。
桜小路パート亜弓パートは飛ばし読みで、マスマヤパートだけ何回も読んでしまいました。
真澄さんとマヤちゃん、お互いの思いが伝わったと、98%くらいは確信していいのではないでしょうか。あー、改めて、よかった。
でも2%ほど不安がよぎります。
この二人、「好き」って言葉はひとことも口にしてないんですよね。
今後マヤが「そういえば、好きって言われたわけじゃないし、速水さんが抱きしめてくれたのは紅天女に感激したから……」とか大かんちがいして振り出しに戻らないことを望みます。


真澄白目合計24回。
いくらなんでも、こりゃ多すぎでは。
白目にならなくてもいいところで白目になってます。
そんなに軽々しく白目になってて、眼球がもどらなくなっても知りませんよ。
特にマヤを部屋に案内するところから、数ページは「全真澄白目」。
あと、最初から最後まで顔あからめっぱなしです。ほとんどの真澄の頬に斜線が入っております。昔のクールな社長はいずこに?


二人が抱きあうシーン、身長差のせいで、真澄がへっぴり腰に見える絵が多くて残念でした。(マヤ156センチ、真澄185センチくらい?)
もうちょっとなんとかなりませんかね〜。段差を利用するとか。
伊豆でのシーンは期待するとしましょう。


しかし、やっと、ようやくここまでたどりついた真澄とマヤ。
どうか伊豆で二人が身も心も結ばれることを、引き続き祈りたいと思います。
あ、紅天女ですか……もう亜弓さんでいいのでは?
とにかくこの先の鬱展開に備えて、この47巻を(仮の)最終巻と位置づけて、今後の心の支えにしたいと思いました。


★余談
帯の後ろ袖に入っているデーブ・スペクターが鶏肉持った写真は必見! 「さあこい、ジェーン!」って。ヒーヒー。腹痛い〜。
デーブのことちょっと好きになっちゃいました!